東海道新幹線スピードアップ 車掌が教えるそのポイント

勾配を利用する新幹線の運転テクニック

●12時46分頃、横浜市旭区の南万騎が原駅付近
「東京駅のホーム上でのご案内表示でご覧いただいたお客様も多いかと思いますが、この列車は時速285kmに合わせ、『団体列車285号』として運行しております。これから『列車番号』の意味についてご説明いたします。東海道・山陽・九州新幹線には1本1本の列車に数字4桁とアルファベットの「A」からなる列車番号が付けられております。たとえば「0100A」という列車番号の場合、お客様には「のぞみ」100号としてご案内をしております。この列車の列車番号は『9285A』と申しまして、本日特別に設定したものです。千の位に付く「9」は臨時列車を意味し、最後のアルファベット「A」は東海道・山陽・九州新幹線を表す記号です」

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「団体 285」と表示されている東京駅の発車案内(2015年2月25日、恵 知仁撮影)。

●12時54分頃、神奈川県小田原市の鴨宮駅付近
「列車はまもなく小田原駅を通過いたします。この列車は最高時速270kmで走行しているほかの列車を合間を縫う形で、時速285kmで運行しています。本来であれば小田原駅通過後も最高速度で走行できますが、この列車では先行列車との間隔を保つため、小田原駅を通過してすぐにある小峰トンネルの入口から運転士がブレーキをかけ、小田原駅から熱海駅のあいだを時速150km程度で走行します」

●12時55分頃、神奈川県小田原市の小田原駅付近
「また通常、運転士はお客様の乗り心地を考え、車で例えますとアクセルやブレーキなどをなるべく操作しないで運転しています。登り坂で速度を緩めたり、下り坂でスピードを上げたりするなど、勾配を活用しながら運転をしますので、景色や勾配を覚えながら運転の技術を磨いていきます。この列車は、ほかの列車より速い速度で運転しているため、今回は運転士がブレーキをかけて減速しますが、これも普段は体験いただけません」

●13時2分頃、静岡県熱海市の熱海駅付近
「列車は熱海駅を通過しております。ここから静岡駅までは断続的に最高速度を出しながら走行いたします」

●13時9分頃、静岡県富士市の岳南江尾駅付近
「ただいまこの列車は直線区間を時速285kmで走行しています。今回の車両改良によってN700系では車体を傾斜させることで直線区間と同様に、曲線区間でも時速285kmで走行することが可能となりました」
「このような様々な改良工事の効果を確認するため、営業列車終了後の夜間や、営業列車の合間を縫って走行試験を繰り返し実施してまいりました。試験走行の回数は110回、走行距離は約4万3000kmにもなりました。本日担当している運転士も、この走行試験に参加しておりました」

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コメント

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1件のコメント

  1. このサイトは初めてみました。少年の頃「電車の運転士」を夢見た小生には、楽しく読むことができました。
    今後とも楽しみにしています。
    質問ですが、登録すれば定期配信などもあると思うのですが、手続きを教えて下さい。