東海道新幹線スピードアップ 車掌が教えるそのポイント

運転士が気をつかう米原駅付近

●14時6分、名古屋駅発車。

●14時10分頃、愛知県稲沢市平野町付近
「まもなく最高速度になります」
「ここから1分ほど最高速度で走行します。このあと大きな左カーブがあるため、時速を250km程度に落とします。その後、岐阜羽島駅手前の木曽川から再び最高速度で4分ほど走行いたします」

●14時14分頃、岐阜県安八町付近
「ただいまこの列車は、直線区間を時速285kmで走行しております。東海道新幹線では最高時速を285kmへ向上させるため、N700系をN700Aの仕様に合わせる改造工事を3年で80編成に行っております。N700A仕様に改造されたN700系は車体側面についている「N700」のロゴマークの横に、小さくアルファベットの「A」という文字がついています。よろしければ駅などで車両を探してみてください」

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2014年度以降に投入されるN700Aのトイレには、温水洗浄機能が備えられている(2015年2月25日、恵 知仁撮影)。

●14時20分頃、滋賀県米原市の近江長岡駅付近
「まもなく米原駅を通過いたします。米原駅の周辺は雪が多く降り積もる場所のため、東海道新幹線で唯一、スプリンクラーが設置されています。雪が積もっていたり、スプリンクラーの水が出ているなかで、必要以上にスピードの上げ下げをすると、車輪がすべって乗り心地が悪くなってしまいます。運転士はそのような線路の状況にも気をつかいながら運転をしております」

●14時39分、京都駅到着、14時40分発車。

●14時43分頃、京都市向日市の向日町駅付近
「このあと進行方向右側に山崎のウイスキー工場が見えてくるあたりから、速度を上げてまいります。本日最高速度で運転する最後の区間です」

●14時46分頃、大阪府高槻市の上牧駅付近
「ただいま、最高速度に到達いたしました。ここから約1分20秒ほど最高速度で走行させていただきます。これにて私からのご案内は終わらせていただきます。これからも東海道新幹線のご利用をお待ち申し上げております。本日はご乗車いただきましてありがとうございました」

●14時53分、新大阪駅到着。

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 3月14日に東海道新幹線で行われる、23年ぶりのスピードアップ。それによって東京~新大阪間の最短所要時間が3分短縮されて2時間22分になるほか、天災などで遅延した際に回復しやすくなるといったメリットがあります。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. このサイトは初めてみました。少年の頃「電車の運転士」を夢見た小生には、楽しく読むことができました。
    今後とも楽しみにしています。
    質問ですが、登録すれば定期配信などもあると思うのですが、手続きを教えて下さい。