元は撮り鉄用語 「バリ鉄」が持つ別の意味

「バリ鉄」と呼ばれる鉄道ファンが、電車の備品を盗んで逮捕される事件がありました。この「バリ鉄」という単語について、各メディアでは「熱心な鉄道ファン」などと説明されていますが、本来は別の意味合いが強いものでした。

「撮り鉄」と縁が深い「バリ」

 この「バリ鉄」、自然発生的な単語であるため明確にはいえませんが、基本的に「撮り鉄」の世界で使われることが多かった言葉です。たとえば、珍しい列車が走るという情報を得るとそれを極力最優先にし、時間の許す限りアクティブに西へ東へ撮影に赴く、という人を「バリ鉄」と呼んだりします。

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「バリ順」の写真(20年11月、恵 知仁撮影)。

 また写真用語で、被写体に正面からまんべんなく光が当たっている状態を「順光」といいますが、「撮り鉄」の世界には「バリ順」という用語もあります。カメラのある方向から車両の正面、側面に対し綺麗に光が当たっている状態を指すもので、いわば「バリバリ順光」の省略形です。

 「編成写真」という、車両編成の先頭から最後尾まで綺麗に入った写真について「バリ鉄写真」と呼ぶこともあります。編成写真は「なによりまず被写体を綺麗に写す」といった理由で「鉄道写真の基本」ともされ、「王道的・典型的な鉄道写真である」といった意味などから「バリバリな鉄道写真」、そして「バリ鉄写真」という言葉が生まれた、というのが考えられるところです。

 「バリ~」という表現。特に「撮り鉄」の世界で縁の深いもので、狭義における「バリ鉄」は「熱心な撮り鉄」を意味します。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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