上野発の夜行列車は消えず 「TRAIN SUITE 四季島」、上野を出発駅に

「東京の北の玄関口」として、かつて多くの夜行列車が発車した上野駅。しかし今年3月で、上野駅を毎日発車する夜行列車は消滅しています。そうしたなかJR東日本は、2017年春の運行開始を予定しているクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」について、計画している出発駅が上野駅であることを発表。上野発の夜行列車は、引き続き運転されることになりました。

今年3月に定期では消えていた「上野発の夜行列車」

 JR東日本は2015年6月9日(火)、同社が2017年春からの運転開始を予定しているクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」について、上野駅(東京都台東区)を出発駅に予定していることを明らかにしました。

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「TRAIN SUITE 四季島」の外環イメージ。客室は「デラックススイート車」1両、「スイート車」5両を備える(画像出典:JR東日本)。

 上野駅は古くから東京と東北・信越方面などを結ぶ列車が数多く発着し、「東京の北の玄関口」とも呼ばれました。そのホームには石川啄木(岩手県出身)による「ふるさとの 訛りなつかし 停車場の 人ごみの中に そを 聴きにゆく」という歌碑も設置されています。

 ですが東北新幹線の開通などによって、その姿は激変。新幹線が走り出す前、例えば1973(昭和48)年10月の時点では、毎日運転の定期列車だけで合計25本もの夜行列車が上野駅を発車していました。

 しかし、今年2015年3月14日のダイヤ改正で札幌行き寝台特急「北斗星」が臨時化されたことにより、上野駅を毎日発車する定期夜行列車は消滅。臨時化された「北斗星」も、今夏で運転を終了します。また、上野発の臨時夜行列車には現在もうひとつ、札幌行き寝台特急「カシオペア」がありますが、2016年春の北海道新幹線開業で青函トンネルが現状では通れなくなることから、将来が不透明です。

 そうしたなか上野駅を出発駅に予定し、2017年春に登場する周遊型のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」。移動を主目的にした旧来のものとは異なりますが、上野発の夜行列車はこれからも引き続き、走ることになります。

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