2023年には航空機へ搭載 米空軍が進めるレーザー兵器開発 その有用性は

アメリカ空軍の指向性エネルギー兵器局が、2023年には航空機へ空中発射型固体赤外線レーザーを搭載する計画であることを明らかにしました。SFの世界だったレーザー兵器がいま、現実になろうとしています。ただそうなっても、主力はミサイルのままかもしれません。

レーザー兵器が実用化されても主力はミサイルのまま?

 指向性エネルギー兵器はまるで夢のような兵器に思えるかもしれませんが、残念ながら万能ではありません。射程距離は極めて短く、ハイパワーマイクロ波はせいぜい1km、100キロワットクラスの赤外線レーザーも数km程度ではないかとみられています。現代の空対空ミサイルは100km先の航空機を撃墜可能なものもありますから、戦闘機にとっての主要な兵装はミサイルであり続けるでしょう。

 この指向性エネルギー兵器は、むしろ接近するミサイルへの防御に使えます。赤外線誘導型のミサイルならば、赤外線レーザーを使えばその誘導装置を破壊、ないし狂わす程度は容易にできるはずです。対象を焼損させるほどの出力はありませんが、赤外線レーザーを使ったミサイル妨害装置はすでに実用化されています。同様にハイパワーマイクロ波は、レーダー誘導型のミサイルの電子機器を破壊するのに最適です。

 現代の空対空ミサイルは非常に高性能であり、撃たれた側はほぼ撃墜されます。しかし将来、指向性エネルギー兵器を使ったミサイル防御が当たり前になると、そうしたミサイルの優位性は減じられるかもしれません。

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ボーイング747に超大型の酸素ヨウ素化学レーザー(COIL)を搭載した試験機YAL-1(画像出典:アメリカ空軍)。

 なおアメリカは2009年、ボーイング747に超大型の酸素ヨウ素化学レーザー(COIL)を搭載した試験機YAL-1「エアボーン・レーザー」によって、弾道ミサイル迎撃実験を成功裏に行っています。COILはメガワットクラスの超高出力赤外線レーザーで、数百kmの射程を有しました。

 この「空中戦艦」とも形容される恐るべきYAL-1。空対空戦闘を想定した研究も行われましたが、残念ながら予算などの問題によって実用化されることはありませんでした。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

1件のコメント

  1. 撃った瞬間には命中。

    そういう主張のわりには、イメージイラストではすぐ後ろからのレーザー射撃が外れているんですが。

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