自衛隊オスプレイ導入 真に議論すべきだったこと

自衛隊への導入が進められている垂直離着陸輸送機「オスプレイ」。それについて「欠陥である」、また「島嶼防衛の切り札である」といった論調が見られますが、議論すべき本質はそこではなく、加えて実態以上に政治問題化されてしまったため、本当にすべきであった議論がなされなかったかもしれません。

本質から乖離している「オスプレイ論」

 自衛隊は今年度予算よりベル・ボーイングV-22「オスプレイ」ティルトローター機の調達を開始します。

 17機で総額3600億円が見込まれており、この数字には予備の部品などが含まれているため、それらを除外した実際の機体単価はおよそ100億円程度となります。米軍向け価格が89億円であることを考えると、かなり「お買い得」であるといえるでしょう。

「オスプレイ」は猛禽類のミサゴがその名の由来(撮影:関 賢太郎)。

「オスプレイ」はヘリの数倍に達する非常に優れたスピードと航続距離を持つ、高性能な垂直離着陸輸送機です。ただし優れた性能の分は値段に跳ねかえっており、陸自の次期主力ヘリUH-Xは10億円、大型輸送ヘリCH-47J/JA「チヌーク」は30~40億円であることを考えると、いくらお買い得だったとはいえ破格な機種です。

 この「オスプレイ」について、陸自への導入推進を主張する一部メディアにおいて、まるで「島嶼防衛」における切り札かのように扱われています。しかしこうした報道は、「オスプレイ」の本質から大きく乖離してしまっています。

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コメント

2件のコメント

  1. 兵員を展開するのに掛かる時間と人数が重要なのでは?この記事には兵員展開に掛かる時間、つまり島嶼防衛なり離島奪還に要する時系列的思考が欠けているように思うのですが・・・投入できる兵員数と投入に掛かる時間は戦場に於いては尤も重要ですよね。ヘリコプターとオスプレイの違いによる戦場への影響を比較するにはデータが足りないように思います。一度に運べる人数と価格面の比較だけではねぇ・・・

  2. あと、C-1ないしC-130H「ハーキュリーズ」輸送機から空挺降下(パラシュート)での兵員展開は面での制圧ですが、オスプレイによるピンポイントへの兵員展開とは、そもそも作戦が違うのではないかと・・・?
    それと確かに戦車の輸送にはLCACが必要ですが、戦場が戦車戦を展開できる離島なのかも分かりませんし、仮に尖閣諸島であれば戦車戦はあり得ません。もちろん空挺降下も。尖閣諸島で空挺降下となれば、すでに戦況は日本が制圧していると思うんです。もし敵国が制圧していたのなら死者を増やすだけですし、お隣の大国と違って死者を出す前提で兵員を空挺降下出来るほど日本には人的戦力はありませんから。
    別に記事を否定するつもりではありませんが、比較する内容が限られている内容なので読んでいるとオスプレイ配備を否定したいが為の記事なのではないかと思えてしまいます。
    なので、私のような一般人には『真に議論すべきだったこと』としては判断しずらいかと思います。