「宇宙行きの電車」宇宙エレベーター、現実へ一歩前進 ISSで実験開始

2050年の「宇宙エレベーター」完成を目指している大林組が、国際宇宙ステーション(ISS)でカーボンナノチューブの耐久性実験を開始しました。SFの世界でしかなかった宇宙エレベーターはいま、一歩ずつ現実へ近づいているようです。

「宇宙エレベーター」は宇宙行きの電車?

――大林組で宇宙エレベーターの建設を検討したきっかけはなんでしょうか?

 バブルの頃には、すでに宇宙関係の部署がありました。その後、2012年に東京スカイツリーの竣工があり、このとき「塔を造る技術を極める」「究極のタワーを」ということで、建設構想を打ち立てました。

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「宇宙エレベーター」の構成図(画像提供:大林組)。

――どのように地上と宇宙を結ぶのでしょうか?

 静止軌道(地球の引力がゼロになるところ。赤道上だと高度約3万6000km)ステーションから、上下にケーブルが延びているとお考えください。ケーブルの長さは約10万kmで、一端は地上(アースポート)、もう一端は宇宙です。

 このケーブルは地球の自転と同期しており、24時間で1周します。また、自転による遠心力でケーブルが宇宙側へ引っ張られ、直立します。

 そして宇宙側の端には、遠心力と地球の引力とのバランスを取るため、カウンターウェイトを置きます。これがない場合、つまりケーブルの重さだけでバランスを取る場合、ケーブルの長さは14万4000kmも必要になってしまいます。

――宇宙エレベーターのケーブルには、そうした遠心力など様々な力が働くため、先出した「引っ張りの強度」が必要なわけですね。エレベーターを宇宙まで引き上げる動力はどうするのでしょうか?

 電力です。クライマー(昇降機)は電気で駆動し、車輪で上っていきます。電車をイメージしてみてください。エネルギーの供給は、地上から無線送電することを考えています。

――風や天候に影響されないのでしょうか?

 風が吹く領域はごくわずかで、地上10km程度までです。全長約10万kmのスケールだと、それほど影響はありません。雷についてはこれからの研究課題です。

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