「宇宙行きの電車」宇宙エレベーター、現実へ一歩前進 ISSで実験開始

2050年の「宇宙エレベーター」完成を目指している大林組が、国際宇宙ステーション(ISS)でカーボンナノチューブの耐久性実験を開始しました。SFの世界でしかなかった宇宙エレベーターはいま、一歩ずつ現実へ近づいているようです。

いったいどうやって建設する?

――アースポートは赤道上の海上に建設するといいますが、なぜですか?

 海上に作るのはセキュリティの問題で、ホテルや飛行場は陸地に造る構想です。具体的な場所はまだ未定ですが。

 また赤道の直上にケーブルを引く理由は、遠心力と地球の引力のバランスを取るためです。アースポートについては、北緯35度から南緯35度のあいだでずらしても大丈夫という説もありますが、そうした場合、ケーブルを斜めに引くことになります。そのぶん長さが無駄になってしまうので、アースポートも赤道上に置こうというわけです。

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海上に設けられたアースポートのイメージ(画像提供:大林組)。

――話に出てくる数字の大きさにも表れているように、まさに壮大な計画です。そんな巨大構造物を、どのように建造するのでしょうか?

 まずケーブルを作るのが大仕事ですね。最終的には1本のケーブルとなり、これが7000tの重さなります。まずロケットで20tのケーブルを静止軌道まで運び、上下に延ばしていき、地球側に垂らしたケーブルを地上でつなぎ留め、ここまでが第一段階です。第二段階からケーブルを太く補強していく工程になります。第一段階が1年、第二段階の補強に18年を想定しています。

――建設開始はいつ頃を予定しているのでしょうか?

 2030年を予定していますが、いまの技術ではまだ不可能な技術的課題が残されています。なので、これから10年以内にそれらの技術開発が必要です。カーボンナノチューブの長さと強さ、10万km先までの無線送電、実用に耐えうるクライマーの開発。この3つの研究が必要ですね。

「宇宙エレベーター」、課題は残されているとはいえ、実現へ向けて着実に動き始めています。35年後、そこにはかつてSF作家たちが夢想した「未来の乗りもの」が、きっと現実のものとなっていることでしょう。

【了】

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