なぜクルマがハッキングされるのか 技術発展の裏にある危惧
衝突回避や自動運転を実現できるのは、逆にいうと…
ここまで聞いても、「ウチのクルマはどこにもつながっていない」と思うかもしれません。しかし、カーナビで渋滞情報をセンターとやり取りしていることもありますし、高級車を中心に普及しているレスキューサービスも、GPS情報や携帯回線を利用したものです。特にカーナビは、通信でやり取りする“コネクティビティ化”が進んでいます。つまり、外部から入り込む余地はいくらでもあるというわけです。
さらにクルマそのものがネットワーク化されている点が、この問題に拍車をかけています。
クルマには多くの電装品が装着されていますが、これらはいまやLAN回線によって結ばれ、ネットワーク化されています。たとえばエアコンをオンにすると、以前であればスイッチが実際に12Vの電気を流すことで作動する、というアナログな仕組みでしたが、現在は信号が送られ、それに反応し作動するといったイメージです。さらに、一見すると電気では制御していないブレーキやステアリングも、現在は電子制御が当たり前になっています。
そしてこうしたネットワーク化のおかげで、車両全体がトータルで制御できるようになり、ブレーキをかけての衝突回避、自動運転などが実現できるわけです。
ここで最初に触れたハッキングの話に戻りますが、つまり外部から何らかの形で侵入さえできれば、ラジコンのように他人のクルマを操縦できても不思議でありません。
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