陸自新ヘリUH-X、その特徴は 選定にはオスプレイの影響も?

陸上自衛隊は7月、「新多用途ヘリコプター(UH-X)」にベル412EPIを選定しました。どんな背景から、その機体に決まったのでしょうか。そこには「オスプレイ」の姿もうかがえます。

安価で実績豊富なベル412EPI

 2015年7月17日、陸上自衛隊はUH-1J「ヒューイ」多用途ヘリコプターの後継機となる「新多用途ヘリコプター(UH-X)」に、ベル・ヘリコプター(米)のベル412EPIを選定。そして9月2日、富士重工業がその開発プロジェクト立ち上げ事業の試作請負契約を、防衛省と締結したと発表しました。

 このベル412EPI導入によって一体何が変わるのでしょうか。またなぜ、ベル412EPIが「UH-X」に選定されたのでしょうか。

 そもそも「UH-X」は2012年、国産の川崎重工OH-1観測ヘリコプターを原型に、開発することが決定していました。しかし官製談合の発覚から一度白紙になって再選定に。紆余曲折の末、2年越しの選定となりました。

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陸自が「UH-X」に選定したベル412EPIのイメージ(画像出典:富士重工業)。

 今回採用となったベル412EPIはアメリカ製の民間機であり、これを母体に富士重工業が若干の改装を加えたうえでライセンス生産します。1機約12億円で、140機を調達する見込みです。

 ベル412EPIの特徴は、安価かつ運用実績に極めて優れる点にあり、日本においても警察や消防、海上保安庁などにおいて既に運用中です。また、UH-1Jと共通の祖先をもった兄弟機であり、自衛隊に導入される際は、あくまで想像ですが「UH-1JA」か「UH-1K」の名称が与えられることになるでしょう。

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