お医者さん「TOQi」も登場 競争率3.7倍「東急電車まつり」実施

人気を集めていた“東急のお医者さん”

 会場で、まず多くの注目を集めていたのが、車体の吊り上げ実演。鉄道車両の検査には「全般検査」という、数年おきにすべての部品を取り外して行う大がかりな法定検査があります。今回は、その「全般検査」を行っている最中である大井町線の車両(1両約30トン)から台車を外し、車体をクレーンで持ち上げる様子が公開されました。

 また、走りながら線路や架線の状態を調べ、“新幹線のお医者さん”とも呼ばれる「ドクターイエロー」はよく知られていますが、東急にも同様の検測専用車両が存在します。今回展示されていた「TOQi(トークアイ)」がそれで、普段は出会える機会が少ない珍しい車両とあって、見学待ちの行列ができていました。

 線路の安全維持作業はかなり機械化が進んではいますが、まだ人の手を用いる重要な作業もあります。それらを紹介するコーナーにも、多くの来場者が並んでいました。

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「TOQi」の愛称を持つ7500系電車(右上)。台車の重さを体感する企画(左下)や保線作業の体験も(右下)(2015年9月27日、末吉史樹撮影)。

 例えば、線路の下に敷くバラスト(砕石)は定期的に大型機械で突き固め、新たにバラストを足してレールの高さを一定に維持します。しかし、細かい部分までは機械が行き届かないことがあり、そこは人間の手による作業が必要となります。

 イベントでは人間が手で持って操作し、バラストを突き固める「ハンドタイタンパー」という機械を使った作業の体験も実施。来場者は、「鉄道の安全をこうした地道な作業が支えていると初めて知りました」と話していました。

【了】

Writer: 末吉史樹

小学校の校庭横をブルートレインが走り、上空をF4「ファントム」が飛ぶ環境で育つ。旅とグルメを愛し、各地の温泉やおいしい食べ物には目がない。

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