大船渡線BRTに6つ目の新駅 鉄道での本復旧は困難か
JR東日本は、大船渡線BRTで6つ目の新駅開業とダイヤ改正を発表。BRTの利便性向上が進む一方で、鉄道での本復旧は困難なようです。
大船渡線BRTで6駅目の新駅誕生
JR東日本は2015年10月29日(木)、大船渡線BRTにおいて12月5日(土)に大船渡魚市場前駅を新規開設し、合わせてダイヤ改正を行うことを発表しました。
「BRT」は「バス高速輸送システム(バス・ラピッド・トランジット)」のことです。JR大船渡線は、2011年の東日本大震災で被災。その線路は、再びレールを敷設するのではなく、舗装してバス専用道にする「大船渡線BRT」として仮復旧されています。
新規開設される大船渡魚市場前駅には、バス専用道上に乗降場とホーム屋根、ベンチを整備。運行状況を確認できるモニターも設置されます。同駅はBRTによる大船渡線の仮復旧後、6つ目の新駅です。
運行ダイヤは、沿線にある高田高校、大船渡高校からの帰宅時間帯で利用しやすいように改正。一部で使用されていた観光型バスが一般型バスに変更されるなど、利便性の向上が図られます。
BRTでの仮復旧は本復旧となるか
震災で不通となった山田線、大船渡線、気仙沼線の一部区間について、山田線はJRが鉄道で復旧したのち、三陸鉄道へ移管することが決定しています。
しかし、大船渡線の気仙沼~盛間43.7kmと気仙沼線の柳津~気仙沼間55.3kmについては、JRが2015年7月、沿線自治体に対して鉄道復旧を断念する方針を伝えたと日本経済新聞などで報道されました。1100億円にのぼる費用の拠出が困難というのが、鉄道での復旧断念のおもな理由です。気仙沼線も現在、大船渡線と同様にBRTでの仮復旧が進んでいます。
大船渡線BRTは一般道と合わせて専用道を利用するため、定時性も実用上問題ない程度に確保。鉄道と比べると、運行本数の増加や新駅設置も容易で、地元の要望に合わせて柔軟な利便性向上が行えます。一方で、鉄道と比べると輸送力が劣ることや、仙台方面へのアクセスなど中長距離の移動では所要時間が長くなり、乗り換えも不便といったデメリットを挙げる声もあります。
現在のところ、仮復旧のBRTが「本復旧」となることについて、やむを得ないという沿線自治体が多数を占めています。ただ、重い決断を下すことについては、住民のあいだでも賛否が分かれる状況。そうしたなか、年内に予定される会合で、自治体側はJR東日本側への回答を行う予定です。
【了】
Writer: 末吉史樹
小学校の校庭横をブルートレインが走り、上空をF4「ファントム」が飛ぶ環境で育つ。旅とグルメを愛し、各地の温泉やおいしい食べ物には目がない。
JRは民間企業のため利用者が見込めない上、黒字化出来ない事がわかっていて、
多額の費用をかけてまで復旧させるわけが無い。
大船渡線を買い取り自治体が復旧させるしか無い。
「鉄道と比べると輸送力が劣る」とあるが、混雑率はどうなのか?慢性的に立ち客が出るほど混雑しているのか?バスなら便数を増やすことも容易。乗り換えも改善は可能だろう。断念するくらいだからBRTでも充分だと思うが。。。