国鉄の急行形直流電車、終焉へ 生き残りの「フジサン特急」2月引退
元々はオレンジと緑の国鉄急行形電車、その最後の生き残り
この2000系「フジサン特急」はJR東日本「パノラマエクスプレスアルプス」になる前、中央本線の急行「アルプス」などとして走っていた国鉄の急行形電車でした。
165系という、オレンジと緑のツートンカラーを身にまとい、各地を走っていた“国鉄の急行電車”を象徴する車両のひとつで、1963(昭和38)年に登場。東海道本線の急行「東海」や「比叡」、また現在の快速「ムーンライトながら」の前身である、東京駅と大垣駅(岐阜県)を結んでいた夜行普通列車でも使用されていました。
この165系急行形電車の最後の生き残りが、この富士急行2000系「フジサン特急」です。大きく改造されていますが、展望室構造ではないほうの先頭車両に、その面影が強く残っています。
またこの2000系「フジサン特急」は、直流の電気だけを使って走る国鉄の急行形電車、最後の生き残りでもあります。
よってこの運行終了は、昭和30年代からの長い歴史を持つ「国鉄急行形直流電車」、その終わりでもあります。
これに伴い、富士急行は2015年12月19日(土)から2016年2月7日(日)の引退まで、「フジサン特急2000系さよならキャンペーン」を実施。記念乗車証の配布や運転台見学イベントなどが行われる予定です。
なお2000系電車の引退以降、「フジサン特急」は元小田急ロマンスカー「RSE」の8000系電車、元JR東海の371系特急形電車で運行される予定です。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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