電線のなかに電線 線路上空、架線の秘密

線路の上空に張られている架線。よく見かけるものですが、実は内部に別の線が入っているなど色々な秘密があり、知っているようで実は知らないもの、かもしれません。珍しく昼に行われた、その取り替え作業を取材しました。

低速区間と高速区間、摩耗しやすいのは?

 このトロリ線、“摩耗しやすい場所”があるそうです。東海道新幹線の場合、まず挙げられるのは新横浜駅や熱海駅、名古屋駅周辺といった低速で走行する区間とのこと。パンタグラフはトロリ線を軽く押し上げる仕組みになっており、実は低速で走る区間のほうが摩耗の進行が早いのです。

「力行」する場所も摩耗が早く進むといいます。「力行」とは、クルマでいえばアクセルを踏むこと。加速で大きな電力が流れるためといった理由があるそうです。

 また時折、パンタグラフとトロリ線の接触部分がスパークしている場面を見ることがあります。この場合も摩耗に繋がっているとのこと。

 初代新幹線車両の0系は16両編成で8基ものパンタグラフを搭載し、トロリ線との接触部分をよくスパークさせながら走っていましたが、最新のN700Aは16両編成でパンタグラフ2基。トロリ線の摩耗は現在、0系時代より少なくなっているそうです。

 さて、こうしたトロリ線の摩耗、どのようにチェックするのでしょうか。

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架線の監視機能を備えている「ドクターイエロー」(2015年8月、恵 知仁撮影)。

 ここで活躍するのが“新幹線のお医者さん”「ドクターイエロー」です。高速走行しながらトロリ線に向けてレーザーを照射し、摩耗量を“検診”できる能力を持っています。

 また、東海道新幹線の本線で使われているトロリ線は、実はその内部にもう1本、“線”が入っています。「検知線」というもので、トロリ線の摩耗が内部の検知線まで達したとき、警報を出すシステムです。通常、警報が出る前にトロリ線は取り替えられますが、こうした備えをすることで、何らかの理由によってトロリ線が急激に摩耗してしまった場合でも安全性を保つことができます。

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