驚愕! 「30発推進を翼に埋め込んだ超型破りデザイン航空機」なぜその形に? メーカーは破産…今後どうなるのか
スタートアップ企業のリリウムが、2024年10月に自己破産。12月にはM&Aプロセスが継続していると発表しています。同社は、30発の推進装置を翼の中に埋め込んだユニークな形状の航空機を開発していました。なぜこのような形状となり、今後の開発はどのようになるのでしょうか。
ドイツ・ミュンヘンに拠点を置くスタートアップ企業のリリウムが2024年10月に自己破産。12月にはM&Aプロセスが継続していると発表しています。同社は、30発の推進装置を翼の中に埋め込んだユニークな形状の航空機を開発していました。なぜこのような形状となり、今後の開発はどのようになるのでしょうか。
同社が開発していた「リリウム・ジェット」は最大6席を搭載し、最長300kmを飛べるスペックが打ち出されています。この機は垂直離着陸と高速巡航を両立するeVTOL機で、いわゆる「空飛ぶクルマ」のひとつに分類されます。しかし、リリウム・ジェットの設計は、そうした競合機と比べても独特です。
推進装置がある部分は可動式で、垂直離着陸時やホバリング時は翼の後縁部を下げ、推進装置の排気方向を下向きに変えることで空中にとどまります。一方、高速巡航中は固定翼ジェット機のように、翼型を直線的な状態にし、エンジン後方から排気して飛行します。これは、より高速で目的地に行くため、垂直離陸をしたのち、固定翼ジェット機のように上昇・巡航・降下を行い、最後に地上近くで垂直着陸をするというフライトプロセスに基づくものとしています。
推進装置は電動モーターで、いわゆるダクテット・ファンと呼ばれるタイプのものです。これはプロペラをナセルで覆うことによって、プロペラを晒したままフライトするよりも、空気を無駄なく取り込み、その分後方に多く排出でき、効率良くフライトできるとされています。また、覆いを付けることで、騒音を抑制する効果もあるそうです。
同社は2025年初頭にもリリウム・ジェット初の有人飛行を予定してましたが、先述のとおり事業資金不足に陥ったため破産しています。同社によると、機体の開発は「有人飛行に向けて準備を進める中、商業面と技術面の両方で継続している」とのこと。12月現在はダクトファン技術や着陸装置のテストなどが進められているとのことです。
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