なぜ「世界最強の空軍」は次世代戦闘機を開発しないのでしょうか 危機感なさすぎでは?
世界中で次世代戦闘機の開発が過熱する中、圧倒的な空軍力を持つアメリカだけが、その開発に慎重な姿勢を見せています。なぜ、世界最強の空軍は、新たな戦闘機の開発を急がないのでしょうか。
第6世代戦闘機の定義は?
近年、航空機業界において最も注目を集めている動向のひとつが「第6世代戦闘機」の開発競争です。日本はイギリス、イタリアと共同で次世代戦闘機を開発する「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」に参画し、フランス、ドイツ、スペインも「フューチャー・コンバット・エア・システム(FCAS)」共同開発を進めています。また韓国ではKF-21を、トルコは「カーン」の試作機の初飛行をそれぞれ行っており、世界はかつてないほどの戦闘機開発ブームを迎えています。
しかし、この熱狂的な状況の中で、異様な静けさを保っているのが、アメリカ空軍です。同国では「ネクスト・ジェネレーション・エアドミナンス(NGAD)」計画が存在するものの全く進展しておらず、具体的な開発がスタートするどころかキャンセル説まで浮上するなど、その行方は不透明です。なぜ、アメリカは他国のように、次世代戦闘機の開発を急いでいないのでしょうか。
その理由のひとつとして考えられるのが、アメリカ空軍が「第6世代戦闘機」に求められる性能の定義を、まだ明確に定めていないことでしょう。実のところ「第6世代戦闘機」という言葉が近年、頻繁に用いられるようになっていますが、この概念自体が非常に曖昧です。
F-22「ラプター」やF-35「ライトニングII」に相当する現行の第5世代戦闘機が、高いステルス性や超音速巡航(スーパークルーズ)能力、優れたネットワーク性能などといった特徴を持っていたのに対し、従来の戦闘機とは全く異なる能力が求められると言われる第6世代戦闘機が、具体的にどのような機能が必須なのか、議論がまとまっていないようです。
例えば「AIの活用」や「無人機の連携」などが話題になりますが、これらは第5世代戦闘機も近代化改修で付与することは可能でしょう。何なら第4世代戦闘機であるF-15でさえ十分行えるとさえ言われています。
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