首都高新料金、使い勝手は? 「節約の喜び」で渋滞減少なるか
「節約の喜び」で首都高、渋滞緩和へ?
こうなるともう、渋滞している区間をわざわざ使おうとは思わなくなります。
例えば以前なら、目的地が港区三田の場合、杉並区の自宅近くにある永福ランプから芝公園まで首都高を使っていましたが、谷町~芝公園間の渋滞を考慮して、4月からは外苑(390円)や渋谷(450円)で降りて一般道を使うようになりました。そこに「節約の喜び」を感じるようになったのです。「節約の喜び」を実感するには、ETC車載器に料金音声案内が付いている場合、音量を大きくしておくことをお勧めします。
首都高は、早い区間は本当に早いです。渋滞さえしていなければ、鉄道を乗り継ぐよりはるかに早く目的地に到着できます。しかし渋滞区間は遅いです。「遅い区間にわざわざお金を使うのは馬鹿馬鹿しい」、一部の利用者がこう考えるだけでも、首都高の渋滞は減る方向に向かいます。
もちろん、あまりに多くの人がそちらへシフトすると、一般道の渋滞がひどくなってしまうわけですが、そうなれば「空いた首都高を使おう」という動きが発生して、自動調節されます。この部分だけをとっても、今回の新料金は非常に合理的といえるでしょう。
【了】
Writer: 清水草一(首都高研究家)
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。
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