「優先席」だと思ったら「専用席」でした。 座っちゃダメ? 全国唯一がある地下鉄 その実態
電車に乗ると車両ごとに必ず優先席が設けられています。ところが、札幌市の地下鉄には優先席ではなく「専用席」が設けられています。これにはどんな理由があるのでしょうか。
全国でも珍しい「専用席」とは
通常、電車には各車両に優先席が設けられており、特有のマナーが存在します。例えば東京都交通局では、優先席について「お年寄り、お身体の不自由なお客様、妊娠中や乳幼児をお連れのお客様、ヘルプマークを身につけたお客様に、席をお譲りください」と案内しています。
では、これが優先席ではなく「専用席」だと、どのようなマナーになるのでしょうか。実際に、札幌市営地下鉄は全国で唯一、優先席ではない「専用席」を運用しています。
そもそもなぜ「専用」なのか、札幌市交通局ホームページにて以下のように説明されています。
「札幌市営地下鉄では、1974(昭和49)年4月に高齢者やお体の不自由な方の利用を想定した『優先席』を試行的に設置いたしましたが、当時は若い健常者が座席を占領することが多く、本来の優先利用の対象である高齢者やお体の不自由な方などが座れないとの声が多く寄せられたことから、市議会での審議等を踏まえ、1975(昭和50)年4月、『専用席』に変更し現在に至っております」
つまり、試行的に設置した優先席の「優先」の認識があいまいだったため、基準を統一すべく「専用席」に変更されたというわけです。
また利用対象について、札幌市交通局は続けて以下のように説明しています。
「専用席の利用対象者は高齢者に限定したものではなく、『からだの不自由な方』『乳幼児をお連れの方』『妊娠されている方』『内部障がいをお持ちの方』も対象としており、具体的な対象者が分かるステッカーの掲出や車内放送にてご案内をしておりますので、現行の専用席についてご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします」
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