後継船はもう造れない!? 日の丸潜水調査船ノウハウの結晶が消滅か… JAMSTECを直撃!

日本の技術の粋を集めて建造された有人潜水調査船「しんかい6500」。ただ竣工から35年近くが経過しており、支援母船「よこすか」とともに老朽化が進行し、後継を新造するのか否かの岐路に立っています。JAMSTEC担当者にハナシを聞きました。

乗組員の優れたノウハウの蓄積も

 また、日本は他国に比べて耐圧殻の安全率を高くとっているため、アメリカの基準に換算すると「しんかい6500」は深度8000mまで潜航可能と話してくれました。

「日本は深海大国で、EEZ(排他的経済水域)における深海の割合は、4000m~6000mで44%、なかでも超深海といわれる6000m以深は6%を占めている。6%という数字は少ないように見えるが、世界的には6000m以深がだいたい1~2%くらいしかなく、日本はトップクラスで超深海エリアが広いのが特徴となっている。海洋資源や地質学、地球生命科学といった科学的なニーズに加えて、プレートの沈み込み帯や海底火山などは地震防災に直結することから、社会的にも海底を探査することは非常に大事だ」(桐生さん)

「しんかい6500」は、2012年には推進操縦システムの大規模なアップグレードを実施、メインスラスターを旋回式の大型1基から固定式の中型2基に換装するなど大規模な改造を行い、機能の向上を図っています。

 同船の優れている点として、水中での操作性と視認性が挙げられます。前後の2か所に水平スラスターが付いているため縦横斜め方向へかなり機敏に動かせ、その場で回頭することも可能です。また、耐圧殻の斜め下に付いているメタクリル樹脂製の3つの覗き窓は、深海の様子を研究者が自身の目で確認することに大いに役立っています。

 さらに、搭載されているマニピュレーターの精度と、その操作を担うオペレーターの技術の双方で日本のノウハウは高いものがあり、双方が合わさって初めて深海という太陽の光が届かない未知の世界で、海底の石や生物を採取する複雑な作業をこなすのにつながっているそうです。

 ちなみに、「しんかい6500」がこれまで潜航した回数は35年間で1800回を超えており、活動範囲も日本周辺に留まらず、大西洋やインド洋などの海外でも調査を行ってきており、日本のみならず世界の深海調査研究にとって、なくてはならない存在であることが伺えます。

【方向舵がX!】中国が保有する7000m級有人潜水調査船「蛟竜」です(写真)

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