日本の代表的客船「飛鳥」3代目登場か しかし多い課題、頓挫の可能性も

第2の課題は、にぎわっているようで低迷している日本

 第2の課題は、日本のクルーズ市場が拡大していないことです。2014年以降、日本の港には主として中国の需要で多数のクルーズ船が来訪。2015年に日本へクルーズ船で入国した外国人旅客数は前年比およそ2.7倍、約111.6万人と過去最多を記録しました。そのため、あたかも「クルーズブーム」がやってきているかのように、しばしば報じられています。

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瀬戸内海を航行する日本郵船グループのクルーズ客船「飛鳥II」(2013年9月、恵 知仁撮影)。

 しかし、日本の船社が運航する日本人マーケットは、様相がかなり異なるのです。

 2016年6月2日(木)に国土交通省が発表した「2015年のクルーズ事情」に関する統計では、日本籍客船(レジャークルーズのフェリー含む)への参加者は9万8000人にとどまり、2003(平成15)年の9万1000人以来という低水準になっています。この統計が取り始められ、「クルーズ元年」といわれた1989(平成元)年には、日本籍客船だけで13万2000人を集客していました。

 そのため日本郵船は、日本発着クルーズだけでなく、「アジア市場進出」の検討を開始。市場開拓の可能性を探る意向ですが、はたして料金の安い外国船との競争に勝てるのか、そこが大きな課題といえます。

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コメント

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1件のコメント

  1. 休暇が取れない社会だからクルーズしたくても出来ない人が沢山居るだろうね