【空から撮った鉄道】「関東最古の電気鉄道」は貨物駅のために途切れた!? 「京急“始まりの路線”」を空から追う

京浜大師線は、京急川崎駅から多摩川に沿い、JR貨物川崎貨物駅至近の小島新田駅までを結ぶ4.5kmの支線です。京急の始まり「大師線」を空中散歩します。

この記事の目次

・「京急の始まり」大師線を空から

・羽田と川崎大師と京急電車を1枚の写真に

・S字カーブや旧駅跡を通り京急川崎駅へ

・空から分かる「廃線跡」

【画像枚数】全16点

「京急の始まり」大師線を空から

 京浜急行電鉄は東京の京浜地域、羽田空港、神奈川の横浜市内、三浦半島の浦賀、逗子、久里浜、三崎口方面を結ぶ大手私鉄で、「京急」の愛称が広まっています。軌間1435mmの標準軌を採用。本線は都営浅草線の泉岳寺駅を起点とし、浅草線や京成電鉄などと相互直通運転を行います。

 車体は鮮やかな赤に窓部が白、ないし白帯をまとう車両が主を占め、「京急=赤」というイメージが定着しています。

 その京急本線から分岐する支線は、空港線、大師線、逗子線、久里浜線の4つがありますが、なかでも一番距離が短く、本線と直通運転をしていないのが大師線です。

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京急川崎駅を手前にして、京急本線六郷川橋梁と大師線(右手)を見る。大師線への連絡線路は、橋梁に差し掛かる部分の下り線から分岐している。左端はJR東海道本線(2025年6月16日、吉永陽一撮影)

 大師線は全線が神奈川県川崎市内にあり、距離は京急川崎~小島新田間の4.5km。カーブと踏切の多い線形で優等列車はなく、4両編成の1000形電車の普通が線内を往復し、多摩川下流域に沿って京浜工業地帯へと向かっています。

「空から撮った鉄道」では、過去に京急全線の一部として取り上げました。今回は、大師線にスポットを当てて紹介します。大師線は他線と比較するとやや地味めな路線ですが、京急の“始まり”の存在です。

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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