日本初の「電動作業船」竣工 発電機ナシ 陸上充電でぜんぶ賄う 日本郵船
日本郵船はバッテリー駆動の完全電動作業船が、グループ会社である京浜ドックの子安工場にて竣工したと発表しました。
意外とコンパクトな船体
日本郵船は2025年5月26日、バッテリー駆動の完全電動作業船が、グループ会社である京浜ドックの子安工場にて竣工したと発表しました。この船は同工場におけるタグボートの入渠・出渠時の補助作業に従事します。

「e-Crea(エクレア)」と名付けられたこの船は、日本初となる発電機を一切搭載しないバッテリー駆動の作業船です。京浜ドック子安工場内の陸上設備から充電したバッテリーのみで航行し、二酸化炭素を排出しないゼロ・エミッションを実現。加えて、静粛性の向上も図られているとのことです。
電気モジュールの搭載による船体の内部重量の増加は、機器やケーブルの配置を見直すことで解決。コンパクトな設計の中に必要な機器を集約したことで、狭く小回りの利かない場所での作業にも適しているそうです。
また、バッテリーや電気モーターは高温になると火災のリスクがあるため、温度管理も重要になったといいます。水冷装置や空調ダクトを多層的に配置し、機器や船内を一定温度に保つほか、バッテリー室の換気を円滑にする構造が採用され、防火対策や有害ガスへの対応も強化されているとのです。
日本郵船は脱炭素を目指し、2024年には世界初のアンモニア燃料タグボートを竣工し、電動推進タグボートの建造も決定しています。今回開発された電動化技術については大型船舶への段階的な応用も検討するほか、「e-Crea」の運航データは、2026年12月に竣工予定の電気推進タグボートに活用するとしています。
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