文科省・国交省協力の古都ツアーとは? 京都の観光が抱える課題
『真田丸』関連も 「特別授業」の「特別」な内容とは?
この「親子で行く修学旅行」のうち、京都のものは「戦国編」と「幕末編」の2プランに別れており、そこで体験できる「特別授業」の一例は次のようなものです。
1202(建仁2)年に将軍・源 頼家が寺域を寄進し建立された京都最古の禅寺で、戦国時代に毛利氏の外交僧として織田信長、豊臣秀吉との調停に尽力した安国寺恵瓊(あんこくじえけい)ゆかりの建仁寺(京都市東山区)では、「朝の特別貸切公開」として安国寺恵瓊にまつわる話を僧侶から聞けるほか、俵屋宗達による国宝「風神雷神図」(レプリカ)や、建仁寺の創建800年を記念して製作された「双龍図」など寺内の案内が行われます。
藤原定家が『百人一首』を編さんしたとされる小倉山の麓、嵐山にある「小倉百人一首殿堂 時雨殿」(京都市左京区)では、「競技かるた」を体験。近年、マンガ『ちはやふる』の影響などで「競技かるた」に対する関心が大きくなっているそうですが、一般的な「かるた」とはルールも内容も大きく異なるそれを、解説、実演つきで体験可能です。
江戸時代末期に反幕府勢力を取り締まる活動などをした「新撰組」にゆかりの深い寺院壬生寺(京都市中京区)では、その「新撰組」にまつわる「壬生塚」や、京都にいまなお伝わる風習「地蔵盆」などについて、僧侶より説明を受けることができます。
豊臣秀吉の正室である北政所(高台院)が秀吉の冥福を祈るため建立し、「新撰組」から分派した伊東甲子太郎(かしたろう)ら「御陵衛士」が屯所を置いた高台寺(京都市東山区)では、そうした歴史を現地ガイドから聞くことができるほか、通常非公開の「月真院」見学、近年ではそうした部屋が減り知っている人が少なくなったという「ふすまの開け方」「歩き方」といった畳の部屋での作法を学べます。
京都での「特別授業」はこれら以外に、戦国大名真田氏ゆかりの伝統工芸「真田紐」や、豊臣氏(羽柴宗家)が滅ぶ「大坂の陣」のきっかけになった方広寺(京都市東山区)といった、2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』に縁の深いものや、平等院(京都府宇治市)や二条城(京都市中京区)など「世界遺産」に関しても行われ、どれも僧侶など現地の人々から親子で直接見て、聞いて、学べる内容になっているのが特徴です。
また奈良の「特別授業」では、春日大社(奈良市)での仮御殿特別参拝や釣り燈籠への点灯体験、法隆寺(奈良県斑鳩町)の「七不思議」紹介などが行われます。
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