3年8か月運休の赤字ローカル線を「ミニ新幹線」に!? 「もう一つの新幹線」より熱を帯びてきたワケ

国道のトンネル工事で約3年8か月も運休していた赤字ローカル線を“ミニ新幹線”に転換しようと、地元の自治体や経済界が自虐的なチラシまで作ってアピールしています。その背景には、いくつもの思惑が重なっているようです。

ミニ新幹線延伸の「口火を切る」材料に

 並行する国道のトンネル工事で2026年1月まで長期運休していた赤字ローカル線を“ミニ新幹線”に転換しようと、地元の自治体や経済界が声を上げています。なんと現状は「陸の孤島」だと自虐するチラシまで作り、熱量いっぱいにPR活動を繰り広げています。

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山形新幹線「つばさ」のE8系(大塚圭一郎撮影)

 松尾芭蕉の俳句「五月雨を 集めて早し 最上川」で有名な最上川に沿って山形県内を走り、「奥の細道最上川ライン」の愛称が付けられているのがJR東日本の陸羽西線です。山形新幹線の終点となっている新庄(新庄市)と、日本海側の余目(庄内町)の43.0kmを結びます。

 1日9往復のみの非電化路線で、約3年8か月間の運休を終えて2026年1月16日に列車運行を再開したばかりです。並行する国道47号「高屋道路」のトンネル工事のためで、代替バスを運行していた2024年度の営業収支が11億4600万円の赤字だったのにとどまらず、鉄道運休前から赤字が恒常化しています。

 そんな赤字ローカル線の陸羽西線を巡り、線路幅を現在の1067mm(狭軌)から1435mm(標準軌)へ広げて電化することで“ミニ新幹線化”し、現在は新庄止まりのミニ新幹線・山形新幹線を庄内地方に呼び込もうと地元の自治体と経済界が動いています。

 その一環で酒田商工会議所が作成したチラシは、庄内地方が山形県から離れた島になっているような地図に「まだ、庄内島?」と書き込み、現状は「陸の孤島」だと自虐しています。そして「もっと『県都』と繋がりたい!!」と、「新幹線未開(続けて「通」を補う記述)の地・庄内へ 山形新幹線の庄内延伸を!!」と呼びかけています。チラシは1500枚作成され、山形県の吉村美栄子知事を含めた県庁関係者、県内の経済界関係者らに配布してきました。

 酒田商工会議所の加藤 聡会頭(加藤総業社長)は筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)に対し、チラシを作ったのは「山形新幹線の庄内延伸に向けた機運醸成のために口火を切る材料にしたかった」と明かしました。そして、庄内延伸へ前進させるための「大きな目標」を明らかにしました。

 しかし、庄内地方へ新幹線を延ばす構想には、「羽越新幹線」構想もあります。なぜ山形新幹線延伸が再び取りざたされているのでしょうか。

【あれ?食い違う?】これが山形の「3つの新幹線延伸」構想です(地図/写真)

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