90年続く“東京の風物詩”が休止 「東京湾納涼船」やめて「船上でビアガーデンやります」一体なぜ!?
東海汽船が停泊型船上ビアガーデン「さるBEER(さるビア)」を夏に開催すると発表しました。その代わり、毎年夏に運航していた「東京湾納涼船」の運航が途絶えます。
「納涼船」なんでやめちゃうの?
毎年、この期間は船内でお酒やフードを楽しみながら東京港周辺を遊覧する「東京湾納涼船」が、夏の風物詩として運航されてきましたが、今年は「船を動かさない」こととなりました。
東海汽船によると、その理由は「働き方改革」と「船員不足」の影響だそう。
「『さるびあ丸』は伊豆諸島の定期航路が本来の役目です。これまで23時に東京を出港し、島を回って夕方に東京へ戻ってきて、わずかな時間で納涼船を運行したのち、また23時に出港するというスケジュールで運航してきました。それが難しくなってきています。人員面とダイヤ面の双方で抜本的な改善を図ります」(東海汽船)
同社は2025年4月、国土交通省から船員法に基づく「是正命令」並びに海上運送法に基づく「輸送の安全確保に関する命令」を受けています。そこで、夏のあいだほぼ休みなく運航していた船を、労働環境改善のため「休ませる」ことにした結果、停泊型のビアガーデンという新形態が誕生したというわけです。
東京湾納涼船は1935(昭和10)年、東海汽船が霊岸島(中央区新川)に発着していた時代からの長い歴史を持ちます。東海汽船は「90年も続く東京の風物詩。なんとかつないでいきたい」といい、来年以降の納涼船の運航に意欲を見せました。
船員不足、といわれれば仕方がない。
でもだったらわざわざ港まで行く必要があるのか?