中国、南シナ海に新型飛行艇投入か 緊張続く沖縄周辺も活動範囲に
沖縄まで進出可能 日本の防衛に直接的な影響を与える可能性も
ただ、その完成度はやはり新明和にはおよばなかったようで、US-2の耐波性能3mに対してAG-600は2mに過ぎません。飛行艇は波に非常に弱く、AG-600は少しでも海が荒れた場合、ほとんど運用が不可能になってしまいます。
以上のように、純粋に海洋で運用する飛行艇としてみた場合、AG-600のUS-2に対する性能上の優位点はありません。しかしながら、航空機の選定において「性能」は、あくまでも「コスト」などさまざまある判断基準のひとつにすぎないので、輸出が考えられているUS-2にとって、AG-600は状況次第で十分に対抗馬たりえる存在といえます。
そしてAG-600の登場が、日本に直接的な影響を与える可能性もあります。戦闘機を運用する際は事故ないし被撃墜による緊急脱出を想定し、必ず捜索救難部隊が待機しています。AG-600ならば、中国大陸から沖縄まで往復するのが十分に可能。昨今、活発化する中国軍戦闘機の活動範囲が、これによりさらに沖縄側へ進出してくることも否定できません。
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
これ新明和のUS1で開発された波消し装置の完全なパクリでしょう。この技術が米に輸出され開発者の菊原博士が米訪問の時米軍の技術者から中国がパクリを作てっると知らされたと回顧録で述べてます。
これはたしか日本の航空雑誌で紹介されてたはずです。
しかし、中国は本格的な飛行艇を作ってないでしょう。97式大艇からの長い歴史のある日本の飛行艇メーカーにケンカを売るのは良いが、PS-1以来何十年もの洋上離着水の経験のある日本の飛行艇乗りに対抗出来るとは思えないし、まして飛行艇に出来ること出来ないことを知っている飛行艇設計者とは勝負にもなるまい。