驚愕の「段ボール製日の丸無人機」どう使う? 見た目は「マジで紙」だがスペックは神かも

名古屋市のスタートアップ企業が「段ボールで作った軍用ドローン」を実用化させようとしています。どのようなものなのでしょうか。

自爆以外の「紙ドローン」の使い方

 エアカムイ150は有事の際に自爆ドローンとなりますが、平時は自衛隊の対ドローン訓練にも有効活用出来るとしています。その理由は制作費の安さにあります。段ボール紙というどこでも見つけることができる材料故に、同じ大きさの既存のドローンの10分の1のコストでつくることができるということです。

 そのため、スウォームと呼ばれる多数のドローンによる一斉攻撃に備えた訓練を安く行うことも可能になり、これも有事の日本を守る、支えのひとつになるでしょう。

 エアカムイによると、現在の課題は組み立て時間の短縮と、顧客の要望に応じた制御インターフェースの柔軟な構築を図ることとのことです。また、尾翼をV字型にするかなど設計の最終形態も探っている状態ともしています。ロシアに侵攻されたウクライナの現状を見れば、こうした小型自爆ドローンの製作基盤が日本でも必要と思いますが、筆者は今回の取材で、ハッと気付かされたポイントがありました。

 ドローンを開発した目的を聞いた際、エアカムイ側は「自爆用です」と率直に回答したのです。同じ海外の航空ショーでも10年以上前は、日本人が「日本発の自爆ドローンです」とは中々言い出せないものでした。ロシアによるウクライナ侵攻を遠い西の出来事とせず、東に位置する日本が現実と受け止めて安全保障への意識を変化させているのは確かです。それだけに、段ボール紙ドローンのような取り組みが今後も欠かせないのは明らかでしょう。

【写真】マジだ…これが「段ボールで作ったドローン」驚愕の実物です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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コメント

2件のコメント

  1. 段ボールは、他の素材と比べて、レーダー波の反射が弱いと言われています。

    その辺も有利かもしれません。

  2. 日本らしさをアピールしたいのだろうけど「ORIGAMI Drone」は変えたほうがいいと思う……