謎の気球と「ウインカー出せ」の標示なぜ!? 背景には佐賀県特有の“暗黙の交通ルール”が関係

佐賀北警察署前の交差点には、珍しい道路標示があります。佐賀市の観光資源でもある気球のイラストに「ウインカー」と書かれたデザインです。

なぜわざわざ「ウインカー」なのか

 JR佐賀駅から車でおよそ5分、佐賀北警察署前の交差点には、珍しいものが路面に描かれています。佐賀市の観光資源でもある気球のイラストに「ウインカー」の文字が書かれた道路標示です。

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路面に描かれた気球の標示(乗りものニュース編集部撮影)

 この標示が設置されたのは、2018年12月のこと。目的は、ドライバーにウインカーの早めの使用を促すためです。

 なぜ、あえて「ウインカーを出せ」と呼びかける必要があるのでしょうか。それは、佐賀県特有ともいえる交通習慣が背景にあります。具体的には、「ウインカーを出すタイミングが遅い」という傾向です。

 道路標示の設置に先立ち、佐賀県と佐賀県警が合同で行った調査によると、県内の交通安全指導員や県外在住者から、「ウインカーを出さない」「出すのが遅い」といった指摘が、佐賀県のドライバーに対する交通マナーで最も多く寄せられたそうです。

 この結果を受けて、佐賀県、佐賀県警、佐賀市、そして国土交通省佐賀国道事務所などで構成される「佐賀県道路交通環境安全推進連絡会議」は、冬の交通安全県民運動の一環として、佐賀北警察署前交差点にバルーン(気球)のイラストと「ウインカー」の文字をあしらった路面標示を設置。ドライバーに早めの合図を促す取り組みを始めました。

 なぜこの交差点が選ばれたのかというと、当時の調査で、国道34号と市道が十字に交わるこの交差点は、佐賀大学前交差点と並び、「全国交通事故多発交差点マップ」において佐賀県内で最も事故の多い交差点のひとつとされていたためです。

 なお、この路面標示に描かれた気球のデザインは、右折レーンと左折レーンで異なり、それぞれの進行方向に傾いた形になっています。

【画像】ホントに気球とウインカーだ! これが、早めの合図をうながす標示です

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