「飛鳥III」ついに公開! 34年ぶりのクルーズ船“新・日本代表” 入魂の“お風呂”も客室もぜんぶ豪華!!
飛鳥IIIついに公開 日本郵船グループの郵船クルーズは2025年7月11日、同社としては34年ぶりとなる新造クルーズ船「飛鳥III」(5万2265総トン)の命名式と船内見学会を開きました。 横浜港の大さん橋国際客船タ […]
飛鳥IIIついに公開
日本郵船グループの郵船クルーズは2025年7月11日、同社としては34年ぶりとなる新造クルーズ船「飛鳥III」(5万2265総トン)の命名式と船内見学会を開きました。

横浜港の大さん橋国際客船ターミナルには、これからデビューする「飛鳥III」と世界一周クルーズから帰港した「飛鳥II」(5万444総トン)が接岸。さらにクルーズクラブ東京が運航する「レディクリスタル」も「飛鳥III」のデビューを記念して横浜港に寄港しており、郵船グループをあげて新しい仲間の誕生を祝いました。
郵船クルーズの西島裕司社長は「飛鳥IIIの就航により飛鳥クルーズは初めて『飛鳥II』との2隻運航になる」と述べ、「2隻が共に高め合い、より多くの最高の船旅を提供することを通じて日本のクルーズ文化の未来を切り開いていく」と強調しました。
「飛鳥III」は日本初のLNG(液化天然ガス)燃料クルーズ船として、ドイツの造船所マイヤー・ベルフトで建造が行われました。2025年4月10日に引き渡された後、アフリカ喜望峰経由で日本へ回航され、同年6月2日に横浜港大さん橋に到着しました。
今回、行われた式典では日本郵船、曽我貴也社長夫人の多美子さんが命名を実施。船首付近のシャンパンとくす玉が割れ、色とりどりの風船が横浜の空に舞いました。
「飛鳥III」が持つ日本船ならではの設備としては12デッキの船首側には「グランドスパ(展望大浴場)」が挙げられ、ここから大海原へ向かって航行する「飛鳥III」の針路を眺めながらゆっくり湯船に浸かることができます。このほか「洋上のリゾート」と銘打って11デッキには「アルバトロスプール」や「プールサイドバー」、眺望の良い「ビスタラウンジ」を備えています。
客室の最上級クラスとなるペントハウスは、ロイヤルとグランドの2タイプを用意。両タイプ共にリビングとダイニングを備えた約100平米の広々とした客室で、「ロイヤルペントハウス」では専属の、「グランドペントハウス」では要望に応じてバトラー(執事)サービスが提供されます。ペントハウスやスイートに限らず、381ある客室の全てがプライベートバルコニー付きというのも「飛鳥III」の特長です。
ショーを見ることができる6デッキの「リュミエールシアター」では最新のデジタル技術を駆使し、映像とダンスを融合した新感覚のイマーシブ(没入型)パフォーミングアーツを予定。もちろんカジノも設けられていますが、「飛鳥III」は日本船籍なので、チップやコインを現金や記念品に交換することはできません。
「飛鳥III」の小久江尚船長は「日本では古くから3という数字には非常に幸運を表す数字としていろんな形で残っている。3という数字を背負いながら、これから日本のクルーズ業界、クルーズシップのフラッグシップとして先端を走りたいと思う」と話し、これからの航海に向けた意気込みを力強く語りました。
また、式典に参加した中野洋昌国土交通大臣は、日本のクルーズ船として初めてLNG燃料や陸上電力受電装置を採用したことについて触れ、「文化と技術が融合した『飛鳥』の名前を冠するにふさわしいクルーズ船と言える。日本の国における憧れの存在であってほしい」と述べました。
「飛鳥III」は横浜港を拠点として、“オープニングクルーズ”では国内30か所に寄港します。7月20日のデビュー初航海は横浜発着で函館と小樽を巡るプランで、8月15日からは日本一周クルーズへと向かいます。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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