「地下鉄駅の線路にフタ」なぜ? 6年つづく珍景いつまで? 新線建設で一変しそうな起点駅
豊洲駅と住吉駅を結ぶ東京メトロ有楽町線の延長区間、通称「豊住線」の建設工事が少しずつ進んでいます。その起点となる豊洲駅は、変化があるのでしょうか。
豊住線の工事が本格化、豊洲駅はどうなった
2024年11月、東京メトロ有楽町線の豊洲駅と半蔵門線の住吉駅を結ぶ「豊住線」の工事が本格着工しました。外から目にするところでは、現時点では東京都江東区に建設予定である枝川駅(仮称)で少しずつですが変化を見ることができます。
一方、起点となる豊洲駅では、利用者から目に見える範囲では変化はなく、豊住線工事着工前から話題になっている“珍しい光景”がそのままとなっています。
豊洲駅は、中ほどの2・3番線に“蓋”が掛けられた状態が続いています。これは2020年に開催予定だった東京オリンピックの混雑を想定し、利用客の歩けるスペースを増やすため2019年10月に実施。線路を塞いで通路にした構造や、ホームドアの“外側”に行くような体験が話題となりました。
コンコースの路線案内は、和光市方面に使われていない3番線も併記されています。実際に使われている線路は1・4番線のみです。ホーム上の路線案内も同様で、3番線の線路上にあたる位置から3番線の案内を見るという体験は、実にユニークです。
その塞がれた線路の上で、外された剛体架線を様々な角度から観察できるもの今の豊洲駅でならでは。こうした様々な設備を、普段見られない角度から観察可能で、知識欲をそそる駅といえるでしょう。
2021年にずれ込んだ東京オリンピックを終えた今、2・3番線は復活しても良さそうな気もしますが、蓋をされた2019年10月から丸6年が経過する今もそのまま。豊洲駅2・3番線ホームの復帰時期について東京メトロは未定としていましたが、6年間もこの状況が続くのは、コロナ禍による本数減少も影響しているようです。
さて、豊住線開業後の豊洲駅は2・3番線ホームが復活する予定であり、さらに新木場方面行きホームを1番線の進行方向左側に新設し、混雑緩和につなげるとされています。
豊住線の開業時期が2030年代半ばとされており、これらのレア光景はまだしばらく見ることはできると思われますが、豊洲駅の光景は他ではなかなかないもの。機会があれば、一度は目にしておきたいところです。
Writer: 和田 稔(ライター・カメラマン)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。





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