潜水艦はなぜ黒い?GPSなしでも水中進む「海の忍者」―究極の隠密システムの秘密とは
潜水艦が海に潜む姿は「忍者」のようですが、その秘密は多岐にわたります。黒い船体から艦内の生活まで、すべてが「見つからずに任務を遂行する」という、ただ1つの目的のために構築されています。そんな潜水艦の秘密に迫ります。
外観に隠された「見つからない」ための工夫
2025年10月14日、海上自衛隊向けとなる最新の国産潜水艦「そうげい」が進水しました。水中に潜み任務を遂行する潜水艦は、別名「海の忍者」とも呼ばれますが、そのイメージを決定づけているのがまっ黒な船体でしょう。
                
                  
                一般的な護衛艦が灰色主体なのに対し、潜水艦が黒く塗られているのは、光の届きにくい海中で目立たないという効果に加え、より直接的な理由があります。
船体表面は、敵のアクティブ・ソナー音波を吸収して探知されにくくする「吸音タイル」で覆われています。タイルの主成分であるゴムに、耐久性と吸音性を高めるカーボンブラックが配合されるため、必然的に黒くなるのです。
ちなみに、船体から突き出た艦橋(セイル)に見える“窓”のような部分は、乗員が外を眺める展望窓ではありません。
潜航中の高水圧に耐えうる設計上、そこは航海灯のカバーや各種センサー類(電波・光学)の開口部・覆いであり、外観の細部まで「見つからない」ための機能性で構成されています。





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