地味だけど激アツ!「日本最大の自衛隊演習」で見た “新鋭の輸送艦”そろい踏み リアルな訓練の裏側
全国規模で実施された「令和7年度自衛隊統合演習」の一環で、大分港にさまざまな輸送艦やフェリーが自衛官や各種車両・装備を載せて来航しました。なかでも注目は就役したばかりの輸送艦2隻。その訓練を取材しました。
民間船や新部隊の姿も「実戦級の物資輸送」
今回の演習では、全国でさまざまな訓練が展開されていますが、注目を集めたのが大分県で実施された統合後方運用、すなわち「物資輸送訓練」です。実戦を想定し、装備品や弾薬を効率的かつ安全に運ぶ能力を高めるもので、陸上自衛隊西部方面隊を中心に大きく分けて3種類の輸送訓練が行われました。
 
                
                  
                最初の訓練では、北海道の苫小牧港から大分港へ、PFI(民間資金活用)契約による高速船「ナッチャンWorld」を使った弾薬コンテナの輸送が行われました。民間のレンタルトレーラーを使い、到着後は自衛隊の輸送隊が大分分屯地まで運搬。実際の物流と同じ手順を踏みながら、民間資源の活用方法を検証しました。ちなみに、「ナッチャンWorld」は2025年12月で契約終了予定のため、今回が自衛隊演習への“最後の出番”になる見込みです。
続く訓練では、今年3月に新たに編成された「自衛隊海上輸送群」が初の実働演習を行いました。この組織は、陸・海・空の隊員が協力して海上輸送を担う新部隊で、広島県呉市の海自基地を拠点にしています。
演習では、輸送艦「ようこう」と「にほんばれ」が大分港と別府港に寄港し、コンテナの積み降ろしを実施。クレーンやフォークリフトを使った荷役作業のほか、155mmりゅう弾砲FH-70の積載・卸下訓練も行われました。波に揺れる艦首ランプへ火砲を慎重に誘導する隊員たちの姿は、まさに実戦さながらの緊張感に包まれていました。
 
                
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