台風観測、なぜあえて飛行機で? 計画主導者とパイロットに聞く、理由やリスクとそのリアル

かつて米軍によって行われていた、日本における飛行機での台風観測が改めて始まります。気象衛星もあるこの時代に、なぜ再びリスキーとも思えることを始めるのでしょうか。計画主導者とそのパイロットに話を聞きました。

いざ台風へ、そのとき飛行機のパイロットは…?

 坪木教授らの計画で使用される飛行機は、DAS社が保有する「ガルフ・ストリームII」ビジネスジェット機であり、「ドロップゾンデ」と呼ばれる温度、湿度、気圧、風向、風速を測定する空中投下型の計測機器を20個から30個搭載します。

 ドロップゾンデの投下は、機内と機外を繋ぐ二重扉の「筒」のような射出機を使います。まず射出機の機内側の蓋を開けてドロップゾンデをセット、そして機内側の蓋を閉じてから機外側の蓋を開けることで、機内の与圧を利用して投下します。

「計測の対象になる台風は、沖縄付近で転向し日本に向かうものを基本的に考えています。そのような台風が沖縄の南海上に来たとき、那覇空港から離陸し、およそ1万3000mの高度より5分から10分間隔で、ドロップゾンデを20個ほど台風周辺に投下して観測を行います」(坪木教授)

 坪木教授は、台風の周囲を飛行するのみで、台風の目に突入した計測はしないといいますが、それでも台風に接近する危険は無いのでしょうか。機長の北原龍一さんは次のように話します。

「アメリカ航空宇宙局(NASA)では、台風の目に突入し計測するといった飛行もやっているようですが、かつて機体が空中分解するという事故もあったので、リスクはあります。今回我々が携わる計画では、台風の周囲を飛行するだけであり、そういった危険な飛行は考えていません」

 どうやら、周囲が思うほどの危険はないようです。ではこの面白そうな観測計画について、北原さん自身は個人的にどう思っているのでしょうか。

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