船の「ナンバープレート」は一生モノ!? 日本独自の“船の戸籍”とは なぜ日本の船には「丸」がつくのか?

船においても、自動車のナンバープレートのように個体を識別するため、船名や番号は登録しなければなりません。また日本にも独自の制度が存在します。これらはどのような仕組みになっているのでしょうか。

世界共通、生涯変わらない「IMO番号」

 自動車のように、船にも個体を識別するための船名や番号があります。これらは船の「戸籍」のような役割を果たし、国際的な安全や保安に不可欠です。

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船尾の船名表示は義務(画像:写真AC)

 海上の安全確保や汚染防止、海事詐欺の防止などを目的として、国際海事機関(IMO)が定めた世界共通の識別子が「IMO船舶識別番号」です。

 これは「IMO」という文字に続く7桁の数字で構成され(例:IMO 9176187)、船の建造時に割り当てられます。

 この番号の最大の特徴は、船が解体されるまで絶対に変わらない「不変性」にあります。船名や所有者、船籍国(国籍)が変わっても、IMO番号だけは同じものが使われ続け、他の船に再利用されることもありません。

 これにより、船の生涯を通じた追跡が可能となり、不正行為の抑止力となっています。

 SOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)により、国際航海に従事する総トン数100トン以上のすべての旅客船および総トン数300トン以上のすべての貨物船にIMO番号が割り当てられます。

 そのうち、国際航海に従事する旅客船および総トン数300トン以上の貨物船については、船体外板等にIMO番号を恒久的に表示することが義務付けられています。

 管理はIMOに代わって「S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス(旧IHSマークイット)」が行っており、番号の割り当ては無料です。

【どの船にもある1?】これが船のナンバープレートです(画像)

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