「武装貧弱、だからイイ!」世界が新ジャンル軍艦「OPV」を求めるワケ 海自も「さくら型」取得でようやく追いついた?

さくら型哨戒艦は戦うためではなく、見張ることが主任務とされる、まったく新しい海上自衛隊の艦艇です。ただ、その傾向は他国も同じようです。なぜ哨戒艦(OPV)は、各国で採用が進むのでしょうか。

課題が似ているイタリアの事例

 さくら型は、OPV(Offshore Patrol Vessel:沿岸哨戒艦)という艦種で、これまで護衛艦が担っていた平時の哨戒活動を代替して、護衛艦が本来の高強度任務に集中できる環境を作るための切り札として期待されています。

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海上自衛隊の練習艦「しまかぜ」と共同訓練を実施するイギリス海軍の哨戒艦「タイン」(画像:海上自衛隊)。

 ただ、哨戒艦は日本/海上自衛隊では初めての艦種ですが、世界を見渡すとすでに同様のOPVは各国に存在します。

 典型的なのはイタリアです。地中海で最も広い排他的経済水域(EEZ)を有する同国は、国土の北側以外はすべて海洋に面しています。そして現在は、従来の海洋権益の保護に加えて、外洋離島海域でのアフリカからの不法難民船の増加や、南ヨーロッパのハブとなるパイプラインや海底ケーブルの保護など、性質が異なる安全保障上の課題を各海域で抱えています。

 これを解決するため、イタリア海軍はPPXと呼ばれる新世代OPVの建造を決定し、最初の艦が2027年に導入される予定です。PPXの排水量は2400トンで、サイズはさくら型とほぼ同等。固定兵装こそ76mm単装速射砲を搭載するため、さくら型より強力ですが、省人化はさらに進んでおり、乗員70名で運航可能です。

 イタリア海軍は現在、軽フリゲートに近い6000トン級のパオロ・タオン・ディ・レヴェル級哨戒艦も4隻運用しており、さらに2隻が建造中です。このレヴェル級とPPXがハイ・ローミックスを構成して、一定の高強度任務に耐える哨戒体制を確立し、海軍の主力艦艇に負担が及ばない仕組みを作ろうとしています。

【異形すぎる!】来日したイタリア哨戒艦「フランチェスコ・モロジーニ」をイッキ見(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 公開する前に、もうちょっと推敲しませんか?

    最近乗り物ニュースさんの記事は文章の質が落ちてるなー時間ないんかなーと思っていましたが、今回はちょっと酷いと思います。