「武装貧弱、だからイイ!」世界が新ジャンル軍艦「OPV」を求めるワケ 海自も「さくら型」取得でようやく追いついた?

さくら型哨戒艦は戦うためではなく、見張ることが主任務とされる、まったく新しい海上自衛隊の艦艇です。ただ、その傾向は他国も同じようです。なぜ哨戒艦(OPV)は、各国で採用が進むのでしょうか。

自衛隊に哨戒艦が不可欠なワケ

  一方、本格的な軍艦の取得が難しい中小国の海軍でもOPVは注目を集めています。低コストで乗員数が少なく、長期の洋上哨戒を前提とした性能が、彼らのニーズとマッチしているのです。また、一定水準の港湾であれば整備可能で、技術移転のハードルが低く、国内建造しやすいのもOPVの魅力です。

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海上自衛隊の練習艦「しまかぜ」(右奥)と共同訓練を実施するメキシコ海軍の哨戒艦「ハリスコ」(画像:海上自衛隊)。

 とはいえ、OPVは単に「安価な軍艦」だから人気なのではありません。海洋を巡る国際環境が大きく変化しつつある昨今、平時の海洋権益保護任務は複雑化、多様化していて、従来の軍艦では対応が難しく、ローテーションの効率も良くありません。軍艦が必要だけど、軍艦が苦手としている任務を引き受けるのがOPVなのです。

 日本の事情に当てはめるなら、海上保安庁の巡視船を充てる考えもあります。しかし、高強度任務に発展する可能性がある海域では海保にとって荷が重いですし、その海域の重要性という判断において、相手国の誤解を招き、返って不測の事態を誘発する可能性もあります。

 そこで情報収集と長期哨戒任務に特化したさくら型のようなOPVが展開することで、海上自衛隊のプレゼンスを明確に示すと同時に、軽武装であることで、現場での不測の事態から武力衝突に発展する危険性を抑えられるのです。

 OPVとは、情報収集と長期哨戒任務を通じて、積極的に平和を守りに行くための軍艦であると評価できます。そのため、さくら型は軽武装ではあるものの、じつはその性能とは裏腹に、日本にとって判断の難しい「グレーゾーン」に投入される可能性が高い船だとも言えるでしょう。

ある意味で、防衛省・海上自衛隊が期待を寄せる自衛艦だと言えるかもしれません。

※一部修正しました(12/22午後5時55分)。

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コメント

1件のコメント

  1. 公開する前に、もうちょっと推敲しませんか?

    最近乗り物ニュースさんの記事は文章の質が落ちてるなー時間ないんかなーと思っていましたが、今回はちょっと酷いと思います。