東海道新幹線、車掌削減へ 安全・サービスどう確保? すでにそれ念頭の施策も
車掌の業務見直しで、新幹線が働きやすくなる?
今回の見直しにおいて、「車内巡回の重点区間」が設定されていることも大きなポイントです。東京~新横浜間、京都~新大阪間といった列車の始発駅に近い区間などで、利用状況に応じて柔軟に乗務員が配置されます。
たとえば東京発新大阪行き「のぞみ」の場合、東京駅から新横浜駅までは通常の2名に加え車掌を乗務させ、そのあいだに車内改札などの業務を処理。そして、名古屋駅まで通過で乗客の入れ替わりがなくなる新横浜駅から先は2名で対応、といった形です。
これは車掌の業務を円滑に行うための施策でもありますが、JR東海によると、「働く意欲のある人にその場を提供する取り組みのひとつ」でもあるといいます。
車掌の勤務は東京~新大阪間を1往復、もしくは1往復半するといったもので、泊まりを含む場合も少なくありません。そのため育児により勤務時間に制限がある社員は、働きたくても、普段とは異なる駅の業務などをせざるを得なかったといいます。
しかし東京~新横浜間、京都~新大阪間といった短区間の車掌業務を用意することにより、そうした社員でも問題なく働けるようになるというわけです。JR東海は「社員の多様な働き方を実現していく」としています。
またこの見直しでは、その列車における運転士と車掌を全員、同じ職場の人間にすることにより乗務員同士の連携を強化し、異常時対応力やサービスの向上を図ることも行われます。現在、東海道新幹線の運転士と車掌が所属する職場は東京第一運輸所、東京第二運輸所、名古屋運輸所、大阪第一運輸所、大阪第二運輸所の5か所です。
【了】
リニアの運行コストを減らす実験にもなってるんでしょうね