三セクだけどまるで新幹線気分!? 「なんかヤバイ!」個性爆発の列車も走る40km“越県”路線とは?

岡山県の第三セクター鉄道「井原鉄道」は、ほかでは見られない特徴をいくも持つ鉄道です。その車窓や個性的な車両など、井原鉄道の魅力を探ります。

個性的な車両の数々

 井原鉄道は魅力ある車両に力を入れており、地域のクリエイターと連携して「戦国列車」のほかにも「デニムトレイン」「スタートレイン」「アート列車」「夢やすらぎ号」という特別車両を運行しています。

「デニムトレイン」は、北条鉄道の公式キャラクターも手掛けたイラストレーター・穴井信男さんがデザインしました。外見もジーンズのようなラッピングでオシャレです。岡山県の備中エリアは「デニムの聖地」と呼ばれており、座席のヘッドカバーやカーテンがデニム生地ですが、これは完成系ではなく、座席本体の生地も近くデニム化するそうです。

「スタートレイン」は、「天文王国」で知られる岡山の特色を列車で表現しています。現代美術家の太田三郎さん、イラストレーターの田代 卓さん・Yuzukoさんによるラッピング列車です。12星座や、笠岡のカブトガニ、井原の美星天文台、矢掛のホタルなどが車体をキャンバスに描かれています。

 そして「夢やすらぎ号」は、木の質感を大切にしたデザインです。九州の新幹線や観光列車などを手掛けた岡山県出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治さんがデザインを担当しました。なお、唯一の洋式トイレ装備車両でもあります。

「アート列車」は、この日は残念ながら見られませんでしたが、大原美術館の54点の芸術作品を車両の内外にラッピングした美術館列車とのこと。井原鉄道のウェブサイト手でVR動画が見られますが、ロールカーテンの裏側に芸術作品が描かれた凝りようです。

 再び早雲の里荏原12時13分発・福山行き(福塩線直通)に乗車します。車両は「夢やすらぎ号」で、ボックスシートには大型テーブルも備わります。

 始発の早雲の里荏原で2人、次の主要駅・井原で4人乗車します。車窓は田園地帯と市街地が大半。高架線で見通しが良いのは変わりません。

 子守唄の里高屋で1人、御領で1人、湯野で2人乗車します。井原鉄道の終点・神辺では2人下車しますが、ここから福塩線に入り20人以上の高校生が乗り込んできました。「夢やすらぎ号」を見た女子生徒らが「なんかヤバイ! かっこいい」と、デザインを褒めていました。

 井原鉄道は「近代的な地方鉄道線」という、それほど見られない特徴を持ち、速達性は地域にも評価されているようです。楽しい車両も走る魅力的な路線と感じました。

【個性派ぞろい】これが井原鉄道の「装飾」列車です(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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