「前が見えなくて危なくないの?」巨大タンカーの操縦室が“最後尾”にある理由 そびえ立つ高さの秘密とは

全長300mを超える巨大なタンカー。実は操縦席が一番後ろにあるのには、巨大船ならではの“安全”と“効率”を突き詰めた合理的な理由がありました。知れば納得の設計思想に迫ります。

荷物を最大限に運ぶための知恵 前方の死角をカバーする“高さ”のヒミツ

 もうひとつの大きな理由は、タンカーの使命である大量の荷物を運ぶことにあります。

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ブリッジが船の後方にある合理的な理由とは?(画像:写真AC)

 ブリッジや居住区を後ろにギュッとまとめることで、船体の真ん中部分を区切ることなく、巨大な貨物タンクを配置することが可能になります。もし中央付近に大きな上部構造物があると、タンク配置の自由度が下がり、積載効率が不利になりかねません。

 さらに、一番後ろの高い場所から長い船体を見渡すことで、巨大な船全体がどのように動いているか(挙動)を視界に入れながら把握しやすいというメリットもあります。

 一方で、後ろにいるとすぐ前が見えにくくて危なくないのか、と感じる人もいることでしょう。

 実は巨大な船には国際条約SOLAS(海上人命安全条約)に基づく視界要件があり、操船位置から見た前方の海面が、「船首から船の長さの2倍」または「500m」の短い方より先まで見えることなどが求められています。

 こうした要件を満たすために、タンカーのブリッジはまるで塔のように高く作られ、前方の死角をできるだけ小さくしているのです。

 タンカーの独特なシルエットは、限られた空間で効率と安全を最大限に引き出そうとした造船技術の結晶といえるでしょう。

【これが未来の船!?】「鉄の帆12枚!」のウインドハンターです(写真で見る)

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