もう「潜水艦貸してください…」やめたい!“南米の資金難海軍”高官が戦力の充実訴える!?

アルゼンチン海軍のフアン・カルロス・ロマイ海軍参謀総長は2026年3月3日、潜水艦や最新型フリゲート艦の導入の必要性を強調しました。

潜水艦はレンタル 水上艦も老朽化深刻

 アルゼンチン海軍のフアン・カルロス・ロマイ海軍参謀総長は2026年3月3日、潜水艦や最新型フリゲート艦の導入の必要性を強調しました。

Large 20260309 01

拡大画像

行方不明となった潜水艦「サンフアン」(画像:アルゼンチン海軍)

 3月3日は、アルゼンチン海軍の父と呼ばれるウィリアム・ブラウン提督(アルミランテ・ブラウン)の没後169周年にあたり、この発言はその記念式典の中で語られたものです。

 式典でロマイ参謀総長は、独立戦争やブラジル帝国との戦いなどで多くの海戦を指揮したブラウン提督を称えた後、話題を現在のアルゼンチン海軍の状況に移しました。

 ロマイ参謀総長は「21世紀におけるアルゼンチン国家の戦略的舞台は南大西洋であり、領海、排他的経済水域、隣接海域、そして広大な大陸棚といった自然資源に富む海域を考慮する必要がある」と述べ、「海軍は国家の管轄権と利益に関わる海洋および河川空間を守る使命を持っており、潜水艦や最新型フリゲート艦を導入することで、戦力の回復と有効な抑止力を確立する必要がある」と新たな潜水艦とフリゲート導入の必要性を強調しました。

 アルゼンチン海軍は1980年代までは、南米はもちろん世界的に見ても有数の戦力を誇る海軍でした。しかし1982年、イギリスとの間でフォークランド紛争(アルゼンチンではマルビナス戦争)が発生し敗北。その後は軍需産業に関わるイギリス製品の輸入が制限されたことに加え、以前から続いていた経済的失敗による慢性的な不況も重なり、国防費は大幅に削減されました。

 その結果、艦隊の維持も困難となり、海軍戦力は大きく縮小しました。

 特に潜水艦戦力の状況は深刻です。アルゼンチン海軍はフォークランド紛争後間もない1984年に就役したサンタクルス級潜水艦2隻を保有していましたが、同級の「サンフアン」が2017年に事故で沈没。残る「サンタクルス」も改修計画が中止され、現在は係留されたままとなっています。

 そのため現在、外洋へ出る潜水艦はゼロの状態です。アルゼンチン海軍では潜水艦乗組員の技術維持のため、ペルー海軍の潜水艦を借りて訓練を行っているほどです。

 また水上艦についても状況は厳しく、主力であるドイツ製MEKO360型フリゲート(アルゼンチンではアルミランテ・ブラウン級駆逐艦と分類)4隻は1980年代前半に引き渡された艦艇で、既に艦齢は40年以上に達しています。本来であれば継続運用のために近代化改修が必要な艦ですが、老朽化は進んでおり、3番艦「エロイナ」は2008年に発生した故障が原因で修理できず2024年6月に正式に退役しています。

 こうした深刻な状況を受け、今回ロマイ参謀総長が式典の場で海軍力再建の必要性を訴えた形となります。

 なお2025年11月には、ハビエル・ミレイ大統領がフランスとスペインが共同開発したスコルペヌ級潜水艦3隻の調達を進める方針を正式に発表しています。しかし中古艦であったとしても、同国の国防予算だけで一括調達するのは難しいとされています。フリゲートについても、デンマークやイタリアと交渉しているとの報道はありましたが、現時点で正式な発表には至っていません。

※誤字を修正しました2026年3月9日15:00

【画像】衝撃的…! これが、他国の潜水艦を借りて訓練をする様子です

最新記事

コメント