N700系の最高速度、実は305km/h? 「新幹線の足」守る現場
削られる車輪、その目的は?
台車検修場へやってきた台車は解体され、大きく「台車枠」と「輪軸」に分けられます。「台車枠」はいわば台車の骨格、「輪軸」は車輪と、ふたつの車輪をつなぐ棒状の車軸をあわせたものです。
台車枠は「台車枠検修ライン」へ進み、洗浄、検査、塗装といった流れで整備が進行。そして輪軸は、より多くの工程からなる「輪軸検修ライン」での整備へ進みます。
輪軸検修ラインでは洗浄ののち、車軸から車輪が抜き取られます。そして「安全走行のため最も重要」という車軸は、超音波により、中空になっているその内部のチェックが行われます。
ふたたび車軸と車輪が組み合わされ、輪軸の状態になったところで、次は「車輪削正」です。車輪のレールと接する面が滑らかでないと振動や騒音が発生し、乗り心地などに影響を与えます。車輪を削ることによって、そうした問題がないようにするのです。浜松工場では、10分の1mmの精度で車輪を削っているとのこと。
なお浜松工場では2017年1月、全般検査のライン(設備や検査の流れ)がリニューアルされ、台車検修場では専用設備による検査の自動化などが図られました。これによって検査の精度が向上したほか、労働災害の防止といった効果もあるそうです。
理論的にはもっと早く走れる。ただし日本では騒音やら路盤やらカーブやらの問題で速度が抑えられているだけ。ちなみに在来線特急電車も性能的には160kmは出せますが、安全制動距離(一応600m以内)を考慮して120km以内に抑えられているだけ。