高速道路のSAとPA、その違いとは 「PAは小さい」とは限らない?

高速道路のSAとPAは、SAのほうが規模が大きいイメージがありますが、近年はSA並みの施設をもつPAも登場しています。両者には本来、どのような違いがあるのでしょうか。

違いは規模? SA、PA相互の位置関係?

 高速道路の休憩施設について、SA(サービスエリア)のほうが規模が大きく、食事や給油もできるというイメージがあるかもしれません。しかし最近は、商業施設や食事処を備えた、SAと見分けがつかないようなPA(パーキングエリア)も登場しており、記者もSAだと思いこんでいたところが、実はPAだったという経験があります。

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中央道の諏訪湖SA。食事処や売店が備わる(画像:photolibrary)。

 国土交通省はそのウェブサイト「道の相談室」で、高速道路の休憩施設は「提供するサービスの内容、休憩施設相互の位置関係によりサービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)に区分」としています。そして「一般的には」と付言したうえで、「サービスエリアには休憩所、駐車場、トイレに加え売店、食堂、給油所など」「パーキングエリアには駐車場、トイレ、必要に応じ売店」が備わっているとしています。

 上記のとおり「休憩施設相互の位置関係」から、SAかPAかが決まっているのでしょうか。NEXCO東日本関東支社に聞きました。

――SAとPA、本来はどのような違いがあるのでしょうか。

 PAはだいたい15km間隔、SAは50km間隔を目安に設置するという一応の基準はありますが、路線の特徴などを総合的に勘案して決めるので、必ずしもこの距離ごとに存在するわけではありません。

――では「規模の違い」なのでしょうか。

 現在は必ずしもそうとはいえません。たとえば関越道の三芳PA(埼玉県三芳町)などは商業施設の規模も大きく、上下線ともにガソリンスタンドも備わっています。SAとPAの違いはあいまいになっているのが実情です。

※ ※ ※

 三芳PA(埼玉県三芳町)は上り線で大型104台、小型200台(障害者用を除く)を収容でき、駐車場の規模だけで見ると同じ関越道の赤城高原SA(群馬県昭和村)上り線よりも大きいです。全国的にみても、三芳PAのようにガソリンスタンドを備えたPAが点在している一方で、SAでもガソリンスタンドがない場合もあります。SAとPAは、相互の位置関係においても、施設規模においても、両者の違いをひとことで説明するのは難しい状況のようです。

 ちなみに、近年は遊園地などのレジャー施設と一体化(上下線のPAから徒歩で行き来できる)した伊勢湾道・刈谷PA(愛知県刈谷市)や、PA全体を童話『星の王子さま』のテーマパークとしてリニューアルした関越道・寄居PA上り線(埼玉県寄居町)など、「高速道路の休憩施設」という域を超えるようなPAも登場しています。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 刈谷PA過ぎると名古屋だなと感じる瞬間。新幹線で言えば三河安城的存在。

  2. 規模や施設によって明確にSAとPAとに分けるべきだと思う。
    GSがないならすべてPAにするとか。

  3. 「サービス」の意味あいからするとSAでは給油と充電が絶対条件という気もする。

  4. 全部「○○パーキングエリア(PA)」に統一してしまうのが一番スッキリする。区別し続ける事に何か意味はあるのか?

    規模の大小や特定の設備の有無でSAかPAかを区別出来なくなっている以上、呼び分ける意味がない。呼び分け続けるのなら、ガソリンスタンドが無くなったSAは即PAに改称すべきだし、逆に記事内で取り上げてた三芳PAはSAに格上げしてないとおかしい。

    もし法律か何かでSA/PAと区別する事が規定されてるとしたら、それを廃止すべき。

  5. 30年くらい前は、自動車整備サービスのあるのがサービスエリアで、ないのがパーキングエリアでしたね。
    パーキングエリアには公衆電話とトイレしかないというのが普通で、明確に分かれてましたね。