駐車間隔10cm! 匠の技光る自動車専用船、その「積み付け」とは?【動画】
クルマの海上運搬に使用される自動車専用船、その積み付けの様子が実演披露されました。この分野では世界最高峰という「匠の技」とは、どのようなものなのでしょうか。
自動車専用船内部を公開、積み付けも実演披露
クルマの運搬をする自動車専用船、その内部の様子が公開されました。2017年8月5日(土)と6日(日)の両日、横浜港大さん橋ホール周辺にて開催された「海洋都市横浜うみ博2017」におけるイベントのひとつで、クルマを船内に積み込んでいく「積み付け」の様子も実演披露されました。
今回公開されたのは、日本郵船が所有する自動車専用船「Castor Leader」。長さ199.99m、幅34.8m、7万48総トン、12階建てという船内に、乗用車約7000台を積載可能な、海外との貿易に使用される外航船です。
自動車専用船に積み付けされるクルマは、「ギャング」と呼ばれる専門スタッフが1台1台、船内の所定の位置にバックで駐車していきます。限られたスペースにクルマを積み込んでいくため、その間隔はギリギリまで詰められ、前後は約30cm、左右にいたっては約10cm。しかも事故率は100万回の移動で1回以下という、まさに匠の技です。
6日、「うみ博2017」会場にて取材に応じた日本郵船の工藤会長は、同イベントについて、「昨今の小学校の教科書には海運の『か』の字もなかった。船や海に親しみを持ってもらうため、小さいお子様を中心に実際に船を見てもらおうと始めたイベント」と話します。自動車専用船については、「見学に訪れたお子さんがすごく喜んでくれますね」とし、またその積み付け技術についても「世界ナンバー1」と評しました。
なお同日、ウィングマリタイムサービス(横浜市西区)所有の、日本初のLNG(液化天然ガス)燃料船であるタグボート「魁」と、ディーゼルエンジンとモーターで推進力を得るハイブリッド船「翼」の体験乗船会も実施されました。
【了】
大きい車なのに駐車場の白線に対して思いっきり斜めに停めて、「白線内だからいいでしょう」なんていう態度のドライバーには絶対不向きですね。それとこの記事の中に、日本初のLNG推進タグボート、とありますが、EUなどでは排ガス対策として船舶の使用燃料にもかなり厳しい規制がかけられるようで(日本で使われているA重油やC重油の使用禁止、軽油の含有硫黄分の制限、排気浄化装置の設置義務など)、その一環としてLNG推進フェリーやLNG補給船などが実用化されています。
将来はこういう自動車運搬船もLNGで動くことになります。