ドリームリフター、スーパーグッピー…異形すぎる飛行機、なぜ生まれた?(写真12枚)

旧ソ連の巨大特殊輸送機

 アメリカやヨーロッパと同じように、旧ソ連にも特殊な専用輸送機が存在します。

 VM-T「アトラント」は、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送するために爆撃機を改修して開発されました。「グッピー」のように収納スペースを機体と一体化させるのではなく、巨大な収納スペースを背中に乗せて飛行するというシンプルなスタイルでした。VM-Tは1982(昭和57)年に運用が開始されましたが、その後1989(平成元)年には、積載量と操縦性に優れたAn-225「ムリヤ」が登場し、「ブラン」の輸送が引継がれることになります。

 そのAn-225ですが、初飛行からわずか数年でソ連が崩壊し、運用予算も打ち切られたため、その後はウクライナで長年スクラップ状態になっていました。2000(平成12)年、超大型輸送機のビジネス需要にともない現役復帰を果たし、現在もなお世界最大の輸送機としてその特徴を活かし運用されています。

Large 170510 air 08 Large 170510 air 09
最大離陸重量など240のギネス記録を持つAn-255「ムリヤ」(画像:icholakov/123RF)。
An-225のベースとなった輸送機An-124「ルスラーン」(石津祐介撮影)。

 様々な特殊輸送のために作られた異形の輸送機ですが、その類を見ない輸送能力から多方面で活躍することとなりました。今後は、新たなプロジェクトや新しい航空機の開発にともなって、想像もつかない輸送機が登場するかもしれません。

【了】

この記事の画像をもっと見る(12枚)

Writer: 石津祐介(ライター/写真家)

専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. ちなみにこの特集の写真にはないのですが、VM-Tアトランテの胴体は非常に細長く、その上に巨大なタンクを積載して飛行中の写真を見ていると、いつ荷物が転げ落ちても不思議ではないくらいです。

  2. 巨人機、異形機大好きだから、お腹いっぱいw
    ドリームリフターはデスクトップモデル持ってる。