京急初の「一般向け貸切プラン」誕生のワケ 選べるルート、一般車両を「非日常空間」に

京急電鉄が「貸切イベント列車」の販売を開始しました。一般の車両を空間として自由に利用できるといい、大手私鉄では珍しい取り組みだそうです。どのような活用方法があるのでしょうか。

品川発三浦海岸行きをはじめ3ルート設定

 京急電鉄が2017年10月2日(月)から、自社の一般車両を使った「貸切イベント列車」の販売を開始しました。

 運行は土日のみで、年間を通じて利用が可能。ルートは以下の3パターンから選べます。

・パターンA:品川9時ころ発、三浦海岸10時ころ着(往路のみ)
・パターンB:品川9時ころ発、浦賀10時ころ着(往路のみ)
・パターンC:京急川崎18時ころ発、同駅20時ころ着(京急川崎~小島新田間の大師線を2往復)

 編成両数も参加人数に応じて選べ、乗車人員120人以下ならば4両、120人以上180人未満ならば6両、180人以上ならば8両で運行されます(運行条件により編成両数が指定される場合がある)。さらに、希望に応じて「車内の装飾やイベント演出なども、京急グループで一括対応できます」(京急電鉄)とのことです。

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2016年10月に運行された「京急×キリンビール横浜工場 90周年記念ビール電車」。京急はこれまでも、一般車両を活用したイベント列車を運行してきた(2016年10月、中島洋平撮影)。

 たとえばJRでは修学旅行の貸切列車などが走りますが、「大手私鉄においては、自由な用途でこれほどオープンにした貸切プランを設けるのは珍しい」(京急電鉄)といいます。京急電鉄に企画の意図を聞きました。

――なぜ貸切プランを設けるのでしょうか?

 沿線の活性化を目的に、創立120周年事業の一貫として実施します。当社ではこれまで、車内でビールを楽しむ「ビール電車」や、自転車を持ち込める「サイクルトレイン」といったイベント列車を運行してきましたが、これらは当社主催で各企業と協力して行うものであり、イベントの数を増やすことがなかなかできませんでした。一般の皆さまに広く列車をスペースとして貸し出すプランを設定することで、そうしたイベントをもっと増やしたいという意図があります。また、社内では出てこないようなアイデアにも期待しています。

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