新千歳空港、混雑緩和へ ANAがカウンターを一新 「自動手荷物預け機」導入(写真21枚)
旅客数が過去最高を記録し、慢性的に混雑する新千歳空港でANAがカウンターをリニューアル。“新搭乗スタイル”という「ANA FAST TRAVEL」導入で、状況が改善されそうです。「自動手荷物預け機」により、処理能力は約1.5倍とのこと。
羽田に続く2か所目の導入
北海道・新千歳空港で2017年8月20日、出発が遅れていた全日空(ANA)機内で、乗り合わせた歌手の松山千春さんが歌を披露、乗客をなごませるという出来事がありました。
出発が遅れていた原因は、「手荷物預けと保安検査場の混雑」です。近年、インバウンドの増加もあり、2016年は2100万人以上という過去最多の旅客数を記録するなど、混雑する新千歳空港。その状況が改善されそうです。
2017年11月8日(水)、ANAは新千歳空港のカウンターを一新。待ち時間の極小化をめざしたという「ANA FAST TRAVEL」を導入しました。
注目は自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop(ABD)」。これまで新千歳空港のANAでは手荷物を預けるにあたって、まずX線検査を受け、カウンターへ行く必要がありました。それがABDを使って手荷物を預けると、自動的にX線検査され、そのまま飛行機に搭載、といった流れになります。
ANAによると今回、新千歳空港にABDを10台導入。それによって手荷物預かりの処理能力が1.4倍から1.6倍になり、待ち時間の半減が見込まれるとのこと。ABDで手荷物を預ける所要時間は、平均で70秒程度といいます。4か国語に対応しており、インバウンド旅客がスムーズに利用できるのもポイントです。有人手荷物カウンターも用意されます。
「ANA FAST TRAVEL」ではABDほか、ピクトグラムを活用し分かりやすくする、自動チェックイン機の集約配置などで、待ち時間の削減を実現するとのこと。この「ANA FAST TRAVEL」が導入されるのは、羽田空港(2015年展開)に続き新千歳空港が2か所目です。ANAによると今後、伊丹や福岡、那覇空港でも展開を検討しているといいます。
なお新千歳空港への「ANA FAST TRAVEL」導入は、2015年から行われている国内線ターミナルビル改修にあわせたもので、松山さんの出来事は無関係です。また日本航空(JAL)は新千歳空港で、「エクスプレス・タグ」という手荷物の預け入れを効率化するシステムを、2016年より導入しています。
【了】
Writer: 恵 知仁(乗りものライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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