新型「N700S」深夜の東海道新幹線に出現! 「確認試験車」のテスト走行始まる(写真27枚)
営業運転が終了した深夜の静岡駅に、東海道・山陽新幹線の次世代車両「N700S」の確認試験車が出現。2020年度の営業運転開始に向け、走行試験が始まりました。耐久テストなどのほか、“N700Sならではの試験”も行われる予定です。
まず確認試験車 「N700Sならではの試験」も実施
営業運転が終わり、日付が変わった2018年3月23日(金)の午前1時ごろ、東海道新幹線の静岡駅へ、名古屋駅側から次世代車両「N700S」の確認試験車が到着しました。
JR東海は次世代車両「N700S」を登場させるにあたり、まずこの「確認試験車」を製造し、それを用いて3月20日(水)より走行試験を開始。営業運転で使用する量産車を製造する前に、新技術の最終確認を行います。
この走行試験では「基本性能試験」「長期耐久試験」のほか、「バッテリー自走システムによる走行試験」「8両編成での走行試験」も実施される予定です。
N700Sは、自走のためのバッテリーを搭載。地震などにより長時間の停電が発生し、トンネルや橋梁の途中で止まってしまった場合、搭載するバッテリーを使って安全なところへ自力走行できる能力が与えられます。従来の新幹線車両にはない、高速鉄道では初となるもので、その試験は2018年9月ごろから行われる見込みです。
また、N700Sは各路線の状況へ柔軟に対応できる「標準車両」として、編成の長さを調整しやすくなっているのも大きな特徴。「8両編成での走行試験」はこれに関するテストで、現在は“東海道新幹線標準”の16両編成であるN700S確認試験車を、予定では2018年10月ごろ8両編成にし、試験を実施します。
JR東海は、この確認試験車による走行試験の結果を生かし、N700Sの量産車を製造。この量産車を使って、2020年度からN700Sでの営業運転を開始する計画です。
なお、このN700S確認試験車は今後、おおむね3年間にわたって走行試験を行ったのち、試験研究専用車両として活用されます。
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
N700Sが試験中にセクションで止まってしまい自走不可になったこともニュースにしてよ。