最大秒速97.2mで新幹線を開発 新型N700Sもここで JR東海 小牧研究施設「低騒音風洞」(写真11枚)

最大風速54m/s以上が「猛烈な台風」ですが、秒速97.2mの風を起こせる装置をJR東海が所有しています。「低騒音風洞」というもので、新型新幹線N700Sの「デュアル スプリーム ウイング形」先頭形状もこれを使い生まれました。

最高で350km/hまで対応

最大秒速97.2mで新幹線を開発。新型N700Sもここで研究(57秒)。

 気象庁の定義では、最大風速54m/s以上が「猛烈な台風」です。

 JR東海の小牧研究施設(愛知県小牧市)には、100m/s近い風を起こせる、「低騒音風洞」という装置があります。

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JR東海 小牧研究施設の「低騒音風洞」(2018年4月、恵 知仁撮影)。

 おもに騒音を測定する装置で、20分の1スケールの模型に風をあてるなどして、空力騒音や空気抵抗の低減技術を研究。より低騒音で省エネな高速鉄道車両の開発が目指されています。JR東海によると、鉄道事業者としては国内で初めて導入したそうです。

 この装置は全長30m、全幅14m、全高4m、風路長72mという大きなもの。最高風速は97.2m/s。時速に換算すると、350km/hになります(N700Aの最高速度は300km/h)。壁を覆っているのは吸音材です。また「ダウンフォース」など、空気の流れによって車体が受ける力も計測できるとのこと。

 2020年度の営業運転開始を目指して今年2018年、確認試験車が登場したJR東海の新型新幹線車両「N700S」、その「デュアル スプリーム ウイング形」の先頭形状も、この小牧研究施設の風洞を使った試験、そして数値解析、トンネル打ち込み試験を組み合わせ、生み出されました。

 ちなみに、N700Aのパンタグラフには小さな穴が空けられていますが、これは騒音を低減する効果があるそうです。小さな穴を空けておくことで、パンタグラフに当たって発生する空気の渦が小さくなり、人間の耳に聞こえにくい周波数になるのだとか。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

 
    
 
    

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