「またあの車種だ!」荒い運転、やけにノロい運転… 車種ごとに「運転特性の違い」はあるのか? 実は“当然”のこと?
「あのクルマ、ノロいなあ……」と思うのは、たいてい同じ車種――このように映るケースがあるかもしれません。では、車種ごとに異なる運転特性は実際に存在するのか、専門家に聞いてみました。
車種によって運転スタイルが異なることは当然ある
街中を走っていると、荒っぽい運転や、逆にノロノロと走っているクルマに遭遇し、「危ないなぁ」とか「周囲の流れに合わせてくれよ」と思うことがあります。しかも車種をよく見ると、以前にも遭遇した同じような運転のクルマと、全く同じタイプだったりすることも少なくありません。

こういった「車種によって異なる運転特性」というものは、果たして実際に存在するものなのでしょうか。
この素朴な疑問について、交通心理士で近畿大学物理工学部 准教授の島崎 敢先生に尋ねてみると、「車種ごとに運転特性が異なるのは当然のこと」との指摘が。
「車種によって運転のスタイルが違う、というのは、ごく自然なことです。なぜなら、まずクルマを選ぶ段階で、すでに乗り手の『属性』や『性格』がある程度、選択肢に反映されているからです。たとえば、ミニバンのユーザーにはファミリー層が多く、スポーツカーを選ぶ人は走りを楽しみたい人が多い。高級セダンは経済的に余裕のある中高年層が乗ることが多く、それぞれ求める性能や特性も違ってきます」(島崎先生)
つまり、クルマのタイプに応じて、「“どんな人が乗るか”、“どんな運転をするか”が、自然と偏ってくる」と島崎先生は話します。「当然メーカーも、『乗り手の特性』を踏まえたうえでクルマを開発している」とも指摘します。
「自動車メーカーは『ペルソナ』と呼ばれる想定ユーザー像をもとにクルマを開発していて、『この車種はこういう人向けに』という方向性は最初から決まっています。だから、スポーティなクルマには速く走りたくなるような特性を持たせ、ファミリーカーは安心・安全・快適を重視して設計します。ユーザーがクルマを選ぶのと同じく、クルマもまたユーザーを選ぶようにできているのです」(同)
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