太平洋フェリー向け大型フェリーの命名・進水式を実施 船名は新「きたかみ」に! 三菱造船

三菱造船で、太平洋フェリー向けに建造している大型フェリーの命名・進水式を実施。名古屋~仙台~苫小牧の定期航路に就航する「きたかみ」の代替船で、個室以外は大部屋をなくして、すべてカプセル寝台となります。

「いしかり」以来8年ぶりの新船建造

 三菱重工グループの三菱造船は2018年7月4日(水)、太平洋フェリー向けに建造している大型フェリーの命名・進水式を行ったと発表しました。

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新「きたかみ」進水式の様子(画像:三菱重工)。

 名古屋~仙台~苫小牧の定期航路に就航する大型フェリー3隻のうち「きたかみ」の代替船で、大部屋をなくしてプライバシーの確保と機能性向上を実現。在来船名を引き継いで「きたかみ」と名付けられました。

 三菱重工業 下関造船所江浦工場(山口県下関市)で行われた式典には、関係者多数が出席。太平洋フェリーの志甫 裕社長による命名に続いて、寄港地ゆかりである、仙台地区代表の佐藤早紀さん(2018せんだい・杜の都親善大使)、苫小牧地区代表の葛西元美さん(ハスカップレディ)ならびに小林茉呂佳さん(同)による支綱切断が行われました。

 新「きたかみ」は、2017年9月7日から建造を開始。長さ192.5m、幅27m、総トン数約1万4000トンで、8階構造の船内は、1階から5階が車両甲板でトラック166台、乗用車146台の積載が可能。6階から7階は定員535人の旅客フロアで、客室、レストラン、展望大浴場などで構成。最上階の8階は、操舵室(ブリッジ)と乗組員用スペース。太平洋フェリー向けの新船建造は、2011年3月に同航路に就航した「いしかり」以来8年ぶりで、累計では6隻目となります。

 デザインコンセプトは「SPACETRAVEL(スペーストラベル)」。夕暮れに乗船し、夜間の航海となる運航ダイヤの特性を踏まえて、星空の旅を連想させるデザイン設計となっています。コンパクトでありながらも快適で楽しさの詰まった空間づくりを目指し、11タイプの多様な客室構成。個室以外は大部屋に代えて、すべてカプセル寝台を採用しています。

 新型最適船型の採用などにより、約10%の省エネルギーを実現して環境面に配慮。建造に際しては、経済産業省および国土交通省の平成29年度「トラック・船舶等の運輸部門における省エネルギー対策補助金(内航船の運航効率化実証事業(内航船の総合的な運航効率化措置実証事業))」の補助を受けています。

 新「きたかみ」は今後、艤装岸壁に係留され、内装等の工事を経て、2019年1月20日の引渡しを予定。名古屋、横浜、仙台、苫小牧西港での内覧会の後、同月25日に苫小牧港から仙台港に向かう定期航路に就くことになっています。

【了】

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4件のコメント

  1. 台風7号で式典は4日に順延、一般観覧者に配布していた資料には、きたかみと明記されてました。
    私も熊本で足止め喰らってましたので4日の大阪行きのフェリーに乗る前に車で立ち寄り見学してまいりましたが
    配布された諸元によれば客室は増えたものの引退予定のきたかみより部屋面積や航行性能は多少劣るようですね。

  2. 現きたかみに比較するとファンネルが船体の前よりに移動してますね、だとすると個室以外の居場所が少ないのではないか?とも考えちゃいますが?

  3. やはり建造費は非公開なのか?

  4. 名古屋から四国へ行けるフェリー乗ってみたい